2019年J1リーグ開幕戦は、ロティーナ監督が就任したセレッソ大阪と、ビジャが加入してさらにスター軍団化が進行しているヴィッセル神戸というカード。長居スタジアムは4万2221人の大観衆で埋まった。
注目の神戸のフォーメーションは、あえて言うなら4-3-1-2。前線の3人はビジャ、イニエスタ、ポドルスキのVIPトリオで、イニエスタが0トップのような形でセンターでフリーマンとなり、ポドルスキとビジャがサイドに張るというかなり変則的な形。対するセレッソの方は、1トップが柿谷、シャドーが清武と水沼、ボランチが仙台から加入した奥埜、ソウザがコンビになった3-4-2-1。
前半は神戸のペース。セレッソのサイドがWB1枚なのに対し、神戸はサイドに張ったビジャとポドルスキに、山口と中盤に下がったイニエスタを経由してパスを通し、それぞれSBの初瀬と西が絡んで数的優位を作る攻撃で、セレッソのラインはどうしても下がらざるを得ない。
しかしセレッソも5バックでラインを作って、サイドで基点を作られてもニアゾーンはきっちりと締めてスペースを与えず、かと言って神戸はセンターでヘディングで勝てる選手がいないので、単純にクロスを上げても意味がなく、結局はポドルスキとビジャのカットインからのシュートしか可能性が無い。
セレッソもやられっぱなしという事は無く、神戸の3トップは前から守備はしないので、低い位置でボールを奪ってから比較的余裕を持ってパスを回す事が出来るのだが、こちらも1トップの柿谷が基点になれず、途中でミスになってしまってなかなかシュートまで持って行けない。
そのままスローな試合展開が続いたまま前半を終了、後半も同じようなペースは続く中、先に動いたのはセレッソのロティーナ監督。都倉を1トップで投入して柿谷を1列下げ、15分には清武に代えてボランチにデサバトを投入、ソウザをシャドーの位置に上げる。
都倉が前線で基点になり、中盤にスペースが生まれて来たのもあって、セレッソは柿谷が前を向いてプレーし始め、都倉やソウザに柿谷から見事なパスが通ってシュートをいう場面を作ると、神戸もクロスから西がフリーで飛び込んだりといきなり試合が動き出す。
すると後半22分、CKから木本が競って流したボールを山下が頭で押し込みセレッソが先制する。このシーン、よく見るとボールが木本の腕に当たっており、VARだったらハンドと取られる可能性が高いプレイで、神戸にとってはアンラッキーだった。
神戸も古橋が明確に1トップの位置でプレイするようになり、可能性を感じるシーンもあったりしたのだが、セレッソはさらに柿谷を下げて何と松田をそのままシャドーに入れ、さらに守備を強化して試合を殺しにかかる。
結局神戸は最後までパワープレイを行わず、ひたすら手数をかけての攻撃に終始、最後までセレッソの守備を崩せず1-0のまま試合終了。セレッソがホームを埋めたサポーターの声に応えるシーズン初勝利を飾った。
まあロティーナ監督が良く神戸を研究していたとは思うが、リージョ監督はこのスタイルのままシーズンを戦って行くのかねえ・・・このなんちゃってバルサ路線を改善するなら、ピケやブスケツのように後ろから直接前線にパスを付けられる選手がいないと、いつまで経ってもスピードアップしないコネコネ攻撃で終わってしまうと思うのだが・・・