「こういう極端なスタイルのサッカーが見られるから、高校サッカーは面白い」高校サッカー選手権 準々決勝 瀬戸内-日本航空

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アジアカップの試合は、開幕戦を除くと日本戦以外の放送をどこもやってくれないので、昨日は明日に準決勝が行われる高校選手権の準々決勝、瀬戸内対日本航空の試合を仕方なく見始めたんだけど、日本航空のサッカーがとにかく面白くてつい見入ってしまった。

日本航空のフォーメーションは3-4-1-2で、4-3-3の形を取る瀬戸内の3トップに対して3バックが完全マンマーク、3トップに来るボールをことごとくカットし、そこから徹底的にショートパスで繋ぎ、WBがどんどんオーバーラップしてサイドで数的優位を作り、ニアゾーンにも選手が飛び込んで攻め立てる。

それで何度も決定的な場面を作るのだが、シュートだけがどうにもヒットせず、必ずゴールを大きく外れるか、ボテボテになってGKに拾われる。もし日本航空に決定力があれば、前半だけで3~4点は入っていたはずだ。

しかし日本航空が点を決められないまま前半30分を過ぎると、日本航空3バックのマンマークが遅れをとる場面が出て来て、瀬戸内がゴールまで攻め込むシーンが増えて来る。そして前半35分、右サイドからシンプルなアーリークロスに吉田がピンポイントで合わせて瀬戸内がゴール。

後半は瀬戸内が大きく早い展開で瀬戸内のマークを外す攻撃が機能、日本航空は前半のように高い位置から攻撃を始められず、局面で後手を踏む苦しい展開を強いられるが、GK橋本の鋭い反応を中心に粘り強く守ると、また盛り返してシュートと簡単には諦めない反発力を見せる。さらに20分を過ぎると瀬戸内がやや守りに入ったのを見て、また日本航空が圧倒する展開になる。

後半29分には右サイドを崩して江井が振り向きざまのシュートもわずか枠を外れ、36分にはシュート性のクロスにフリーで2人が重なりクロスバーの上。この試合で日本航空は19本のシュートを放ちながら、結局無得点のまま1-0で試合終了、広島県代表の瀬戸内高校が初出場ながら準決勝へと駒を進めた。

遡る事13年前、乾を擁する野洲高校が徹底的にドリブルを仕掛ける「セクシーフットボール」で優勝し、一世を風靡した事は記憶に新しいが、近年は高校サッカーでもゾーン・ディフェンスによる戦術の平均化が伺える状況で、こういう日本航空のサッカースタイルはとても新鮮に映る。ユースではあり得ないサッカーが見られる事は、高校サッカーの大きな価値だと思う。

これで高校選手権の準決勝は、尚氏対青森山田、流経大柏対瀬戸内というカードになった。地力から言えば、決勝は青森山田と流経大柏のカードになりそうだが、果たして番狂わせは起きるのだろうか。

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