今年は天皇杯の決勝が元旦に無いので、年末から始まった高校サッカー選手権から更新はスタート。
まだ1回戦でありながら、夏の全国総体準優勝、2年生でU-19日本代表に選ばれている西川潤を擁する桐光学園と、来期のプレミアリーグ参加が決まっている大津という屈指のカード。桐光学園は西川がシャドーに入った4-4-1-1で、大津は4-2-3-1のフォーメーション。
序盤からどちらもハイプレスを仕掛ける激しい展開で始まるが、前半5分に大津が左サイドのスローインからクロスを上げると、大崎がニアで合わせて大津が早速先制点をゲットする。さらに10分にも、カウンターから大津のSB右サイドをドリブル突破、折返しを大竹がきっちりニアに流し込んで2点目。
その後は、2点のビハインドを負った桐光学園が早めにボールを前に入れて、全体が前がかりになって攻勢を強めるのだが、ボランチが前に上がってバイタルにスペースが生まれ、そこを大津に使われて危険なカウンターを浴びてしまう。桐光学園はエース西川がスルーパスからチャンスを作る時もあるのだが、その回数が絶対的に少ない。
後半は最初から桐光学園ペース、前半よりも中盤でパスを繋いで攻撃を組み立てるようになり、特に左サイドの佐々木ムライヨセフのスピードを活かした攻撃が増え、後半9分には西川が連続してシュートを打つ場面を作る。
が、追加点は再び大津。後半13分に右サイドでのクリアを前線のポストプレイで繋ぐと、ボールを受けた高見がドリブル突破、ラストパスを水野がダイレクトで放ったシュートはポストに当たってしまったが、跳ね返りを大竹が押し込み3点目。
これで桐光学園の意気がやや下がってしまい、攻守の意識がバラバラになったところで、後半19分に大津の大竹が右サイドから前線にアーリークロスを放り込むと、これが風に乗ってゴールマウスに飛び込み、桐光学園GK北村が何とかキャッチするも、ボールはゴールラインを割ったとみなされ4点目。
そこからはどちらも中盤にスペースが空き、終始厳しいマークを受けていた西川もボールを触れる機会が増えるが、桐光学園は彼を追い越す選手が少なく孤立し、逆に後半40分には西川のキープミスからカウンターを受け、最後は途中出場の宮原にカットインから5点目を決められ、そのまま5-0で試合終了。
強豪同士の1回戦という事で注目された試合だったが、ボールに対する出足、集中力については大津のほうが明らかに上回っていて、セカンドボールの支配率と、そこからゴール前に入り込む人数の差がこの結果に繋がったように思う。特に水野、大竹のサイド攻撃は破壊力があり、今後注目スべきチームである事は間違いない。
ブンデスリーガのレバークーゼンからオファーが来たという噂の西川は、ブラジル留学から2日前に帰ったばかりという事で明らかに動きが鈍く、大津DF陣のマークを剥がせず苦しいプレイを強いられていた。たまにボールが入った時にはセンスが光るラストパスを見せていたが、いかんせん周りに彼を追い越す選手が少なく孤立、能力の1/4も見せることが出来なかった。