「兄は敗退、弟は首位通過という下剋上、南野の選択は正しかった?」UEFAヨーロッパリーグ グループB セルティック-ザルツブルク

既に5戦全勝でグループリーグ首位通過が決まっているセルティックは、南野がトップ下に入った4-3-1-2。対するセルティックは4-1-4-1のフォーメーション。

現在グループ2位で、引き分け以上で決勝トーナメント進出が決まるセルティックは、4-1-4の形で自陣にコンパクトなゾーンを引いて、ザルツブルクのDFにほとんどプレッシャーをかけない専守防衛の形に終始。

既に首位通過が決まっているザルツブルクも無理に攻める事をせず、南野はトップ下の位置から動かず、相手のアンカーが陣取った狭いスペースで何とかパスをもらおうとアピールするが、ボールはサイドやDFライン裏へと飛んで行くばかりで、ボールポゼッション率で60%以上を記録するも決定機は片手で数えるほど。

ようやく前半の終わり頃になって、セルティックが攻撃する時間が作れるようになったと思ったら、後半からセルティックはアンカーにブラウンを投入すると一転してホームのセルティックが前に出て来て、逆にザルツブルクがカウンターを狙う形に。

南野も前半に比べるとボールに触る機会が増えたが、前半10分にバイタルで前を向いた南野のシュートを寸前でブロックしたクリスティが怪我で退場、セルティックはここで交代枠を全て使ってしまう。

その後は互いにハイプレスの掛け合いで、プレスを回避したロングボールによる組み立てが多くなって落ち着かない試合展開。そして試合が動いたのは21分、右サイドで数的優位を作ってライナーがフリーでクロス、これをダブールがヘディングで決めてザルツブルクが先制する。

さらに南野が交代した後の後半32分、流れて来たボールをキャッチしてアンダースローをしたセルティックGKゴードンにグルブランセンがチャージ、弾いたボールをそのままグルブランセンが押し込み、思わぬ形でザルツブルクに2点目が入る。

セルティックは猛攻を仕掛けるも、後半38分にCKからドフリーのアイエルがゴールまで1mのシュートを打ち上げる大失態。セルティックはロスタイム5分にPKをゲット、エンチャムのキックはGKヴァルケが弾き、こぼれ球をエンチャムが押し込みようやく得点を挙げたものの、試合は1-2で試合終了。

しかし裏の試合でライプツィヒがローゼンボリに追いつかれてドローで終わったため、セルティックはライプツィヒに勝ち点で上回り、グループ2位で決勝トーナメント進出を決めた。試合に負けはしたがセルティック・パークは喜びに包まれたのであった。

ライプツィヒとザルツブルクは、どちらもレッドブルがメインスポンサーになってはいるが、リーグの格はドイツが上だし、クラブ経営でもライプツィヒのほうにレッドブルが深く関与しているため、ライプツィヒのほうが兄でザルツブルクが弟という位置づけなのだが、グループリーグでは完全に立場が逆転、下剋上状態となっている。ザルツブルクと契約を延長した南野は、ステップアップのチャンスを逃したのではないかと言われているが、ヨーロッパリーグを見る限りでは正しい選択だったと言えるのかもしれない。