「先発復帰の遠藤、良くも悪くもらしさを発揮して上位撃破に貢献」ベルギー・ジュピラー・プロリーグ第17節 アントワープ-シント・トロイデン
- 2018.12.07
- ベルギー・ジュピラー・プロリーグ
今朝のベルギーカップでシント・トロイデンは鎌田の1G1Aの活躍でベスト8に進出したが、その前に行われたアントワープとのリーグ戦を昨日は観戦。
アントワープは現在勝ち点32で2位、5位のシント・トロイデンとは勝ち点5の差がある上位対決。シント・トロイデンはFWのボリが出場停止で、2トップはベズスと鎌田が並び、遠藤がインサイドハーフで先発に復帰、冨安もいつもの右CBに入った3-1-4-2。対するアントワープは4-3-1-2のフォーメーション。
試合が始まっていきなり遠藤が猛然と前方プレスを仕掛け、ゴベアと競って倒れた事で、相手が怪我をして交代するというアクシデント。これでアントワープは冷静さを失ったのか、6分にCKからボールをキャッチしたアントワープGKボラトが、その後で故意に肘で選手を倒したという判定でPK、ボタカが決めてシント・トロイデンが先制する。
その後はプレミアリーグのように、腕で相手を押し倒してもファールを取らず、ボールを奪ったら即座に前へ運ぶ激しい試合となり、17分にはシント・トロイデンのカウンターを倒されてのクロスカウンターから、シュートは冨安が何とか足に当てたのだが、運悪くそれがゴールにふわりと吸い込まれるオウンゴールとなってアントワープが同点に追いつく。
特に攻撃のキーマンであるベズスに対してアントワープは激しくチャージを繰り返し、一方の鎌田は孤立、遠藤がフォローに走り回るもなかなか有効な攻撃が出来なかったシント・トロイデンだったが、前半37分に鎌田のポストから前に飛び出していたCBのガルシアにボールが渡り、ゴール前に飛び込んで来たベズスが折り返しを蹴り込んで2点目をゲットする。
後半になると、チームの指示があったのか前半はあちこち走り回っていた遠藤が常時アサモアの脇に位置するようになり、自陣に5-3-2の形を作ってリトリートする守備に変更、アントワープがボールを保持する展開になる。
ただアントワープはカウンターは強力だが、引いた相手を崩す攻撃のアイデアは乏しく、結局はPAの外側でパスを繋いでから強引なドリブルか単純なクロスで終わってしまう単調な攻撃が続く。
逆にシント・トロイデンはカウンターを有効に使えるようになり、前半は孤立してシュートが打てなかった鎌田も、味方からのクロスやラストパスにPA内で合わせる場面を作り始める。すると27分に右サイドで仕掛けた鎌田からのクロスに最後はガルシアが押し込み、シント・トロイデンが大きな3点目。
後半40分には、毎試合必ずやらかす冨安がまたクロスのクリアを相手にパス(笑)。シュートは何とかGKが弾いて命拾い。アントワープもさすがに運動量が落ちてプレスをかけきれなくなり、シント・トロイデンも合間に攻撃しつつ時間を使い、4分のロスタイムもしっかり守り切って試合終了。シント・トロイデンはこれで4連勝となった。
日本人選手3人はフル出場で勝利に貢献。冨安は不運なオウンゴールとやらかしミスはあったが数的不利な状態でもしっかり粘って対処、全体的には及第点以上。鎌田も得点こそ無かったが後半は何度もチャンスに絡み、デュエルも厭わずちゃんと戦えていた。
そして遠藤について。前半は久々の先発だからか入れ込み過ぎで、活発な飛び出しはいいがバイタルを空けがちで度々ピンチを招いていたが、後半は攻撃についてはある程度自重し、忠実なマーキングと体を張った守りで45分間を無失点に抑える貢献を見せた。
もともとフィジカルや運動量といったアスリートとしての能力は非常に高いものを持っているし、技術についても平均以上の才能があり、インテンシティは高くデュエルを全く恐れない。あとは判断やポジショニングの部分で経験を詰めば、もう1段階高いレベルの選手になるはず。このまま試合に出続けて欲しい。
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