「CBが飛車角落ちでは、さすがの長谷部も簡単には整えられない」UEFAヨーロッパリーグ グループH フランクフルト-マルセイユ

ヨーロッパリーグのグループリーグも残り2試合。グループHは、既にフランクフルトとラツィオの勝ち抜けは決まっているが、まだ1位争いが残っており、フランクフルトはラツィオとの直接対決を残しての勝ち点3差であるため、この試合に勝ってもラツィオが引き分け以下にならなければ1位は決まらない。

マルセイユは当然ながらサブメンバーの虫干しで、トヴァン、パイェ、酒井宏樹のレギュラー格は揃ってベンチ外、ミトログル、ラドニッチ、ジェルマンの3人が前線に並ぶ3-4-2-1という並び。フランクフルトもある程度ターンオーバー、ヨヴィッチとハラーの2トップにトップ下がガチノヴィッチ、長谷部はいつものようにリベロに入ったが両CBがルスとファレットに代わっている。

フランクフルトはいきなり試合開始1分で、ショートコーナーからガチノヴィッチがあっさりドリブル突破、シュートはGKに防がれるがこぼれ球をヨヴィッチがあっさり蹴り込み、あっという間に先制点をゲット。

マルセイユも一応は反撃の意思を見せ、そこからは何度か鋭いサイドアタックを繰り出し、フランクフルトゴールに迫る場面を作ったのだが、前半16分にルイス・グスタヴォがまさかのノールックバックパスをGKのいないゴールに決めてあっさり2点目。

その後も立て続けにフランクフルトが決定機を作り、4度目は長谷部のロングパスから抜け出し、最後はガチノヴィッチがフリーでシュートもGKにキャッチされていずれも得点ならず。

後半になると、マルセイユはミトログルがサイドに流れるなど、左サイドに人数をかけて数的優位を作って攻めるようになり、フランクフルトの右CBに入っているルスにスピードが無く、ダ・コスタも守備が得意な選手では無いため、何度も裏を取られる場面を作ってしまう。

長谷部も必死にサイドへ走ってカバーリングをするも、やはり1対1に晒されてしまうと相手に入れ替わられたり、ファレットとラインが合わずに抜け出されたりと、長谷部が珍しく守備の統率に苦労するところを見せてしまう。

ところが後半16分、右サイド深くえぐったダ・コスタのクロスにブナサールが反射的に足を出すと、これがまたもオウンゴールになってしまいフランクフルトが労せず3点目。そして5分後にはまたも長谷部のフィードからハラーが流し、走り込んだヨヴィッチが軽く合わせてフランクフルトが4点目。

これでほぼ試合は決まってしまい、まだ時間はたっぷり残っていたが互いに雑な試合運びに終始、その後は見せ場らしいものはほとんど無くロスタイムも消化して試合終了、裏の試合でラツィオがアポロンに敗れたため、フランクフルトの首位通過が確定した。

結果は4-0の大勝だが、オウンゴール2発という経過が示すように、フランクフルトにとっては点差ほどの楽勝では無かったかなと。特に長谷部はレギュラーのCB2人がおらず、ルスのスピード不足とファレットとの連携不足に苦しむなど、珍しく整えるのに苦労する姿が見れた。まあ、これで首位通過が決まったのでさすがに最終節はお休みだろう。