「最大公約数にしかならない日本人監督のレッテルを森保監督は剥がせるか?」キリンチャレンジカップ キルギス戦展望
- 2018.11.20
- 日本代表
今日はキリンチャレンジカップのキルギス戦ですが、日本列島はカルロス・ゴーン逮捕のニュースで持ちきりですな。ゴーンが会長を務める日産は、言うまでもなく横浜Fマリノスの実質的な親会社なので、サッカー界にも影響は少なくないニュースではありますが・・・
さてキルギス戦。ぶっちゃけ、鹿島との練習試合でも0-2で負けていますし、勝敗という点ではほとんど意味を持たない試合なのは確かです。監督自身が明言しているように、現時点でのベストメンバーを並べたベネズエラ戦では出番の無かった選手、権田や東口、槙野、三浦、山中、室屋、三竿、守田といったメンバーを積極的に使う事になるでしょう。
彼らが得点を取って活躍すると、おそらくマスコミは新戦力の台頭!みたいにはしゃぐ事になりそうですが、個人的にはあまり過渡な期待はするべきではないと思っています。
ここまでの森保監督のチーム作りは、基本的にはロシアW杯での西野監督の方針を継承していると言えるでしょう。つまり、3バックのような練度を必要とする戦術は採用せず、慣れ親しんだ4-2-3-1のフォーメーション、戦術的な約束事で縛ること無くある程度選手の自主性に任せるスタイルであると推察されます。
外国人の場合はある程度戦術で縛らないとチームがバラバラになってしまいがちですが、日本人同士ではほっといても勝手に相談してまとまっちゃうので、軍隊的な規律を嫌う選手には受けが良いチーム作りだとは思いますが、逆に言うと意外性がない、常にチーム力が「選手の最大公約数」にしかならない欠点があると思っています。
レアル・マドリーのような超ビッグクラブの場合、気持ちよくプレイしさえすれば最大公約数でもトップに立てる選手が揃っているので問題ないのですが、日本はそうじゃありませんからね。
当然ながら、相手の良さを消すような奇襲的な戦術も採用が難しくなります。結果的に見ることは叶いませんでしたが、もしハリルホジッチがロシアW杯で指揮を取っていたら、ベルギー戦では策の限りを尽くして相手をハメるプランを実行した事でしょう。個人的には、そういう日本代表を見てみたかったです。
さらにレアルもそうですが、選手に任せると序列や派閥が生まれやすいという問題があります。特に日本の場合は、ロティーナ監督もインタビューで語っているように、若手が自らベテランを押しのけて下剋上を果たす可能性はほぼゼロです。ジーコやザックの時代にも、任期後半はこの問題がかなり悪影響をもたらしました。
そして最大公約数という事は、ベストメンバーの代わりに能力が低い選手が入ると、それがそのままチーム力の低下に反映されてしまう事になります。大迫が抜けてからのベネズエラ戦、ターンオーバーをしたロシアW杯のポーランド戦を見ても、それは明らかです。ただでさえ上記の年功序列や、国内組と海外組の格差で既にラインが引かれているのに、キルギス戦の内容次第ではさらに溝が深まる可能性があります。
サブ組にとってはアジアカップへのサバイバル試合と言われていますが、個人の出来うんぬんよりも、最大公約数を打ち破るようなチームとしての驚きを見せてくれるのかどうか、かすかな期待をしながら試合を見てみようと思います。
-
前の記事
「岡ちゃんのロマン病で”必昇”が挫折、来期は真骨頂であるリアリズムが発現されるのか?」JFL 2ndステージ第15節 FC今治-ホンダロック 2018.11.19
-
次の記事
「低調な予定調和の中で、とうとう見つけ出した長谷部の後継者?」キリン・チャレンジカップ 日本-キルギス 2018.11.21