「守備に専念する酒井高徳は世界レベル? 果たして日本代表復帰は現実となるのか」ドイツ・ブンデスリーガ2部 第13節 エルツゲビルゲ・アウエ-ハンブルガーSV

第9節の後でティッツ監督が解任され、ヴォルフ監督が就任してからは3連勝と好調を維持しているHSVは、アウェーでエルツゲビルゲ・アウエとの対戦。HSVはラソッガの1トップに、アンカーにはマンガラ、酒井高徳が右SBに入った4-1-4-1のフォーメーション、伊藤達哉は残念ながらベンチ。そしてホームのエルツゲビルゲ・アウエは3-4-1-2という形でスタート。

試合はホームのアウエが主導権を握るべく前に出て来る展開で始まったが、4-1-4でガッチリとコンパクトなゾーンを築いているHSVの守備には余裕があり、ボールを奪っては素早くカウンターを仕掛け、最後はラソッガにクロスを合わせる形が出来上がっている。

そして早速前半の21分に、自陣からフリックでボールを繋ぎ、マーカーが釣られて中盤にスペースが出来たところをハントがドリブルからスルーパス、ナライのクロスにラソッガが合わせてHSVが先制する。しかしアウエも直後にど真ん中から細かくパスを繋ぎ、最後はファンドリッヒが叩き込んで同点。

その後は、CKの流れからナライが何故かPA内でドフリーになって、慌ててヘディングもバウンドが合わなかったりと、互いに何度か決定的なチャンスを作るが、得点を決めきれずに前半を終了する。

後半も、アウエはロングボールで陣地を稼ぎ、セカンドボールを拾って攻撃に繋げる形を全面に押し出すようになるが、後半18分にアウエ陣内でのパスミスを拾ったナライが、そのままドリブルで持ち込みシュートを決める。その後にも右サイドから大きなサイドチェンジに交代出場のジャッタが追いつき、角度の無いところから流し込んで3点目。

HSVは、その後はフォーメーションを5-4-1に変更して守備固め。後半38分には酒井がカウンターからDFライン裏に抜け出しシュートもアウエGKハースに防がれ追加点ならず。アウエも最後の攻めに出るが、1度チャンスがあったのみでことごとくHSVの守備に潰され、試合は結局1-3で終了。HSVは首位をガッチリとキープしている。

酒井については、同じサイドのナライが絶好調で酒井が無理に攻撃参加する必要が無く、終始しっかりバランスを取って堅実な守備を見せていた。長谷部と同様に、代表を引退した事でパフォーマンスが安定、チームからの信頼を得ている様子。ぶっちゃけ攻撃センスはあまり無いのだから、守備能力を伸ばす事に専念すればまだまだレベルアップは可能だと思う。

最近の報道で、代表復帰の可能性がゼロではないと語っていたそうだが、やはり国内組と比べると守備のスキル、経験は一枚上であり、長友や酒井宏樹の次がいない現状では酒井高徳がいればと思うが、日本と往復するとまたパフォーマンスが落ちてしまうのは明白で、どうしてもW杯本番や最終予選の土壇場で無い限りは、クラブに専念させておくべきだろう。むしろ、刺激のために出番を減らしている伊藤達哉を呼んで欲しいね。