「バイエルンを抜いて4位浮上、やっぱりニコ・コバチ監督は長谷部を連れて行くべきだったような?」ドイツ・ブンデスリーガ第11節 フランクフルト-シャルケ

ここ5試合は、リーグ戦・欧州戦どちらも無敗と好調同士の対戦。フランクフルトは、破壊力を見せつけているヨヴィッチ、ハラー、レヴィッチの3トップに、長谷部がリベロでどっしり構える3-4-1-2のフォーメーション。対するシャルケは3-1-4-2の形でスタート。

試合は序盤からホームのフランクフルトがペースを握り、長谷部のパスで誘導されるようにCBの両サイドが開いて上がり、そこからコスティッチ、ダ・コスタのWBやFWに繋げる遅攻、高い位置でボールを奪って3トップがスピードに乗ったカウンターを仕掛ける速攻のどちらも形が完成されている。

ただシャルケも途中から修正してサイドを厚めに守って試合を落ち着かせると、前半9分には長谷部のラインコントロールが遅れて(実際にはギリギリオフサイド)シュートを打たれたりと、攻撃陣が個人能力でフランクフルトとのデュエルに勝った時はチャンスを作り出している。

フランクフルトも出足は良かったが、ヨーロッパリーグから中2日という日程が影響しているのか、攻撃陣の動きにいつもの鋭さが感じられず、特にコスティッチの左サイドで攻撃が出来ず、その後は膠着状態に陥ったままスコアレスで前半を終了する。

後半はむしろシャルケのほうが勢いを見せるのだが、そこに立ちはだかったのが長谷部で、エンボロが下がってウートやブルグシュタラーを飛び出させるシャルケの策に全く慌てず、高いラインを保ったまま縦パスをことごとくカットしてチャンスを刈り取って行く。

後半16分、怪我でピッチ外に出ていたエンボロがちょうどサイドを抜け出せるタイミングで審判が入れてしまい、あわや失点の大ピンチを作ってしまうが何とか難を逃れる。当然、長谷部は審判に抗議。

ただピンチの後にチャンスありで、その直後にフランクフルトは相手のクリアミスを拾ったレビッチがボールを浮かせて相手を交わし、ボールを拾ったらヨヴィッチがそのまま持ち込んでシュートを決める。

これでようやく調子が出たのか、フランクフルトの攻撃が急にダイナミックになり、後半28分にはシャルケがキープしたボールを高い位置で奪い返し、コスティッチのオーバーラップからマイナスの折り返しをまたもヨヴィッチが合わせてドッペルパック。

さらにフランクフルトの勢いは増し、シャルケ陣内でハイプレスを仕掛けて猛攻を見せるものの、33分に一瞬のスキからコノプリャンカにバー直撃のシュートを打たれるシーンも。しかし36分にCKから最後はハラーが押し込みフランクフルトがダメ押しの3点目。

長谷部もお疲れなのか、アーリークロスに足を雑に出してあわやオウンゴールというシーンを作ってしまったが、シャルケも3失点後ではそこまで反発力は無く、そのまま3-0で試合終了。内容的にはどちらに転んでもおかしくなかったが、FWの決定力が最後に物を言った格好になった。

これでフランクフルトは公式戦9戦8勝、得失点差で前監督のニコ・コバチが率いるバイエルンを抜いて4位に浮上。3トップが絶好調という面が第一の理由ではあるが、やはり彼らを下支えする長谷部のラインコントロール、ビルドアップがあってこその成績でもある。とは言え、フランクフルトは選手層があまり厚くないので優勝まではさすがに厳しいだろうが、何とか来期はチャンピオンズリーグで試合を整える長谷部を見たいものだ。