日本サッカーに対するJリーグの立ち位置が左右する、外国人枠拡大の賛否

最近はプライベートが本当にゴタゴタしておりまして、サッカーについては試合を見る時間を確保するのが精一杯で、Twitterも生存確認のために書き込んでいるぐらいでタイムラインを見る事すらままなりません。

でも昨日は歓迎会のために試合すら見られなかったので、最近大きな話題となった「Jリーグの外国人枠拡大」の件について少し書いてみます。

J1、外国人枠を5人へ J2とJ3は4人拡大濃厚 – サッカー : 日刊スポーツ

巷の反応をいくつか見ても当然ながら賛否両論あるわけですが、「否」のほうの論拠としては日本人の若手選手の出番が減るという面が大きいようで、大住御大も明確に反対しておられます。ただ、私としては珍しく(笑)大住氏よりも戸塚啓氏の意見の方に賛成ですかね。

Jリーグが、日本代表の強化を目的として設立されたのは事実ですが、個人的にはそろそろ協会からJリーグは完全に独立すべき時期だと思っています。そして独立のために必要なのは、まずJリーグを成長産業、投資家や経営者にとって魅力のある投資対象として成り立たせる事に尽きます。

今までは、「Jリーグ百年構想」という御旗のもと、主に地域密着という理念で走って来たわけですが、地方経済の衰退や人口減少、可処分所得の目減り、スマホ文化の台頭などによってサポーターの高齢化が進み、限界が見えているのは事実です。プロ野球や大相撲など、狭い日本プロスポーツ産業のパイの奪い合いを繰り広げているだけでは未来はありません。

日本経済の成長にとってインバウンドや外国人労働者が不可欠になったように、どのみちJリーグも世界のマーケットに向けたコンテンツに育てる必要があります。そのためには外国人のスター選手を集めて「アジア・プレミアリーグ化」を目指す事は必然的な方策だと言えますし、既に2年前に村井チェアマンがはっきりとその方針を打ち出しています

最近では、V・ファーレン長崎が新スタジアムを中核とした複合施設の計画を打ち出していますが、イニエスタとポドルスキを獲得したヴィッセル神戸、ペトロヴィッチを招聘して弱小サッカーからの脱却を図ったコンサドーレ札幌など、もっともっと攻めの姿勢を見せるクラブを増やす必要もあるでしょう。

「2ステージ&チャンピオンシップ制」を採用した時にも思いましたが、日本はとかく「変わる事」に対して拒否反応を起こす人が多いと感じます。外国人枠の拡大は、一度やってしまったら止まらない施策ではありません。まずかったらまた減らせば良いだけの話です。

もちろん、「日本サッカーのため」という視点はまだまだ必要ですが、既得権益にまみれた保守団体と化しつつある協会を反面教師として、Jリーグにはフットワーク軽く羽ばたいていただきたいものですな。