「ハリルホジッチの解任とロシアでの不選出を受けて、真に”縦に速いサッカー”を会得した日本」キリンチャレンジカップ 日本-ウルグアイ

日本はパナマに快勝、ウルグアイは韓国相手に1-2で敗れた結果を受けての対戦となったキリンチャレンジカップ。日本の先発は、GKが東口、DFが長友、吉田、三浦、酒井宏樹、ボランチが遠藤と柴崎、2列目が中島、南野、堂安、1トップが柴崎というおそらく現在のベスト布陣。対するウルグアイは、カバーニを1トップに据えた4-4-1-1という布陣。

ぶっちゃけ何故あのウルグアイが韓国に1-2で負けたのか不思議だったのだが、試合が始まるとすぐその結果に合点が行った。ウルグアイの守備はベストなレベルからするとはるかにルーズで寄せが甘く、前半は日本のボランチにミスが多かったのにそこから攻めきれず、中島に対して簡単に前を向かせて2失点のトリガーにさせてしまった。

後半になると少しだけウルグアイが本気を出して、三浦のバックパスミスを突いてカバーニが同点ゴールを決めるなど、前半とは全く違うプレススピードを見せたのは良かったが、守備陣がそれに付いて行けず結局前後の分断を招く結果になってしまい、14分にCKの流れから堂安、21分に柴崎のパスカットから堂安がシュートをしたこぼれ球を南野が押し込み、日本が一気に4点目を叩き込んだ。

その後、日本は後半30分に遠藤が中盤でボールを奪われた後のカウンターからロドリゲスにゴールは決められたが、その後はきっちり試合をコントロールして結局4-3のスコアで逃げ切り、パナマ戦に続いて日本は森保ジャパン発足から3連勝を飾った。

ただ正直なところ、韓国に負けたウルグアイの覇気の無さは驚くべき状態で、後半立ち上がりの一瞬だけは本気の力を見せたものの、全体を通じて見ると10段階のうち6程度の力しか出せておらず、4点を取って勝てた事を素直に喜んではいけないと思う。

とは言え、MVPの働きだった中島と南野はもとより、前半は消えがちだった堂安、中盤でミスが多かった柴崎や遠藤にしても、「縦に早く」という意識が徹底されており、皮肉にもハリルホジッチが目指していた方向性が、解任されてからW杯を経た今になって代表に浸透したのは感慨深いものがある。

今の代表は確かに勢いに乗った状態になっているが、ウルグアイも到底日本を研究したようには見えず、アジアカップでは全てのチームが日本を分析して徹底的な対策を立てて来るはずだし、親善試合とは次元の異なるプレッシャーが襲いかかって満足なプレイが出来ない場合もあるはずだ。それでも、このメンバーであればその壁を乗り越えればまた一段と成長出来るのではないだろうか。