「プレイスタイルの変更で、相手の対策を無効化させた中島の応用力」ポルトガル・プリメイラリーガ第7節 ポルティモネンセ-スポルディングCP

第5節にリーグ戦初勝利を飾ったものの、未だ最下位に沈んでいるポルティモネンセと、4位と好位置につけているスポルディングとの対戦。ヨーロッパリーグから中2日のスポルディングは3人の先発選手を変えるターンオーバー。

ポルティモネンセは4-3-3で、広州恒大から移籍したコロンビア代表ジャクソン・マルティネスが1トップ、中島はいつも通りに左ウイングで先発、対するスポルディング・リスボンはフォーメーションとしては4-2-3-1だが、ボランチのバタグリアが頻繁にCBの間に入る3-1-5-1のような形で攻撃を組み立てて来る。

試合は序盤こそ互いに攻め合う形で始まったが、6分を過ぎると徐々にスポルディングがボールを支配する流れになるが、前半29分にポルティモネンセは自陣でボールを奪うと左SBのマナファが持ち上がり、リターンを受けた中島のワンタッチパスを受けたマナファが、カットインからニアにシュートを決めてポルティモネンセが先制する。

その後もしばらくはポルティモネンセのペースになったが、スポルディングがそこから反撃、ポルティモネンセは自陣でファールを与える機会が多くなり、前半37分にはFKからヘディングで流したボールがゴールをかすめるチャンスを作り出す。

しかし前半44分、ポルティモネンセはマナファが相手のパスをカットしてドリブルで持ち上がり、サイドでパスを受けた中島がヒールパス、そこからオーバーラップしたマナファに繋がり、中島がリターンパスを右足ダイレクトで打ったシュートをニアに決めて2点目、そして前半を折り返す。

後半から、かつてマンUで香川の同僚だったナニが投入され、スポルディングは彼のドリブルを軸にポルティモネンセ陣内に攻め込む。そして後半16分には左サイドを突破したフェルナンデスのクロスをファーでフリーになっていたカブラルがシュートは枠外だったが、18分に左サイドを崩され、ゴール前で潰れた後のボールを最後はモンテーロに押し込まれて1点差。

その後25分にも、グデリがゴール前に飛び出してGKと1対1になる場面を作るなどスポルディングのペースは続いたが、それに引導を渡したのが中島だった。後半36分に右CKから左に流れたボールを中島がワントラップからニアを抜く強烈な右足ミドルを決めて3点目をゲット。

後半37分に、スポルディングは右サイドからのクロスにコアテスが頭で叩きつけてまた1点差に迫り、その後もパワープレイで同点を狙いに来るが、後半ロスタイムにセカンドボールを中島がワンタッチパスで前に流し、抜け出したジョアン・カルロスが冷静に1対1を制して4点目。これで完全に試合は決まってしまった。

中島は、シーズン序盤は相手に研究され、持ち味であるワイドに張ってからカットインで切れ込むプレイを封じられ、しばらく目立った活躍が出来なかったが、最近はインサイド気味にポジションを取ってサイドのマークを外し、一旦下がってボールを受け、縦パスを出してから動いて高い位置でチャンスメイクをするプレイスタイルに変更した事が効いている。

そろそろ、各チームがガッツリとすっぽんマークを仕掛けて来る日は近いかもしれないが、さらに応用力を広げつつある中島にとっては、きっとそれも問題なくクリアしてくれるはずだ。