「胃腸炎で3kg痩せた大迫、フル出場でチームの潤滑油としての存在感は増すばかり」ドイツ・ブンデスリーガ第5節 ブレーメン-ヘルタ

まだリーグが始まって4試合を経過したところだが、ともにまだ無敗でスタートダッシュを決めている両チームの対戦。ブレーメンはクルーゼとハルニクの2トップに、前節は胃腸炎で欠場した大迫がトップ下で復帰した中盤ダイアモンドの4-4-2、そしてドルトムントから加入したシャヒンがアンカーに入った4-3-1-2、ヘルタ・ベルリンは4-2-3-1のフォーメーション。

試合はどちらも好調同士とあってボールをしっかり繋ぐサッカーを展開するが、トップ下の位置で確実にポストプレイをこなす大迫と、卓越したパスセンスを持つシャヒンの中盤はブンデス屈指の安定感を発揮、早速12分に車品のFKからモイサンデルが折り返し、混戦からハルニクがヒールで押し込んでブレーメンが先制する。

ビハインドとなったヘルタは、そこから早いタイミングでボールを放り込む攻撃に切り替えるが、大迫はボランチの位置に下がって4-4-2のような形で守備のカバーリングに奔走、マイボールになるとそれまで以上にボールの中継点として働き、前半35分には下がりながらのタックルでボールを奪ってみせる。

そして互いに一進一退の攻防が続いてそのままのスコアで終わるかと思われた後半45分、ブレーメンは大迫のワンタッチパスから右CKを得ると、シャヒンのキックで競り勝ったベリコビッチがヘディングで合わせてブレーメンが2点目を決めて前半を折り返す。

後半もブレーメンがボールを保持する展開で始まったが、8分にカウンターから左サイドを抜け出したディルロスンが角度の無いところからニアにシュートを決めてヘルタが1点差に追いつく。

ブレーメンは疲れの見えるシャヒンを下げた後は、ヘルタにボールを支配されて厳しい展開になるかと思われたが、後半21分に右サイドのゲブレシラシエのクロスから、最後はそのゲブレシラシエが中に入ってボールを受けたところを倒されPK、これをクルーゼがきっちり決めて再びブレーメンが2点のリードを作り出す。

その後は大迫のトップ下は変わらないものの、守備時はある程度フリーマンとして中盤のスペースを埋める働きになり、後半30分にハルニクが下がると大迫はクルーゼと4-4-3の2トップになる。ヘルタもカルーを入れて明確に中盤ダイアモンドの4-4-2にするが戦況は変えられず。

後半40分にカウンターからゼルケが切り替えしてシュートも枠外。43分には大迫がPAすぐ外からミドルを放つが相手に当たってCK。ロスタイムにはクルーゼが交代して大迫とエッゲシュタインの2トップに代えてブレーメンが3-1で逃げ切った。

大迫は胃腸炎で体重が3kgも減ったらしいが、復帰戦でいきなりのフル出場。さすがに体は重そうで、前線への飛び出しは少なく得点には絡まなかったものの、確実なキープとパス出しで前線の潤滑油として存在感を発揮。特にドルトムントから加入したシャヒンとの相性は抜群で、彼の縦パスと大迫のポストの組み合わせは、完全にブレーメンの攻撃にとって軸になっていた。これからのブレーメンだますます楽しみである。