「鎌田は華麗なドリブルで決勝ゴール、遠藤は序列が下がってしまった?」ベルギー・ジュピラー・プロリーグ第7節 ゲント-シント・トロイデン

現在リーグ戦で9位に付けているシント・トロイデンは、4位のゲントとアウェイで対戦。シント・トロイデンのフォーメーションは4バックの4-1-4-1に変更、冨安は右CBとして先発し、これまで先発していた遠藤はベンチスタート、フランクフルトからレンタルで来た鎌田もサブメンバーに入った。関根は怪我で欠場らしい。対するゲントは4-3-3の形でスタート。

シント・トロイデンの守備はマンマーク色が強く、試合の序盤からゲントにポゼッションを握られ、PA付近で数的優位を作られるとバタバタしていたが、それ以外の場面ではしっかりゲントの攻撃陣を抑え込み、要所でカウンターを繰り出す形が出来ていた。

すると前半21分、左サイドでのスローインからの流れでベズス、セバージョスとボールが渡り、最後はセバージョスのスルーパスにデサールが抜け出し、冷静にシュートを流し込んでシント・トロイデンが先制する。

しばらくは得点で勢いに乗ったシント・トロイデンがサイドを高く上げ、ゲントに対して試合をコントロールする展開になるが、すぐにまたゲントがペースを握り返し、37分にはチャクヴェタゼが決定的なシュートを放つもわずかにゴール右に逸れる。

その後もゲントがサイドを中心に攻め立てシント・トロイデンを圧倒するも、冨安を中心とした守備陣がマンマークの対応をサボらず粘り強く対応、アンカーの脇にスペースが出来やすいゲントの穴を利用して度々カウンターを繰り出し、前半を1点リードして折り返す。

後半もゲントのペースで始まり、左サイドのコイタのドリブルでリズムを作ると、5分にはチャクヴェタゼからのラストパスを受けたコイタがシュートもシント・トロイデンGKステッペが体に当ててなんとか防ぐ。が、その直後のスローインからコイタがシュートと見せかけて横パス、ブロンが押し込んでゲントが同点に追いつく。

そこからは中盤にスペースが空いて、交互にゴール前での場面が来る大味な展開が続いたところで、鎌田が左ウイングのポジションで途中出場。後半23分には、カウンターから中央でパスを受けるも判断に迷って潰されるが、鎌田はシント・トロイデンのカウンターの場面に何度もドリブルで顔を出す。

そして後半35分、シント・トロイデンは相手のパスをカットしたカウンターの場面でベズスからパスを受けた鎌田が左サイドを突破、ステップワークでマーカーを置き去りにすると、さらに寄せて来た選手を切り返しで交わし、ゴール右上にシュートを突き刺し勝ち越し。

後半40分にベズスが2枚目のイエローをもらって退場、シント・トロイデンは10人での戦いを余儀なくされる。4分の後半ロスタイムが2分を過ぎたところで遠藤が守備固めとして投入、これで鎌田が1トップになる。そしてシント・トロイデンは何とかゲントの攻撃を防いで2-1で試合終了、アウェイで貴重な勝ち点3をゲットした。

冨安は守備で積極的に前へ出るのは良いが、ポストを潰すのかスペースをケアするのかが少し曖昧で、何度か裏を取られるシーンがあったのが気になった。遠藤の代わりに入ったアサモアは凄く良かったわけじゃないけど、勝利という結果が出たので序列としてはアサモアが上がってしまうかもしれない。

鎌田は、攻守の切り替えについてはフランクフルト時代よりも明らかに速くなっている。守備のカバーに実効性が伴うともっと良いが、ベルギーリーグのレベルなら十分合格点。このゴールで間違いなく出番は増えるだろうから、ここからどれだけ上積み出来るかだろう。