「勝ち切れない甲府、ロスタイムの猛攻もポストに当たってルヴァンカップ終戦」ルヴァンカップ 準々決勝 第2レグ 柏レイソル-ヴァンフォーレ甲府

J1とJ2という違いがあるとはいえ、ともにリーグ戦では下位に沈んで苦しんでいる両チームだが、ルヴァンカップでは準々決勝まで勝ち抜いての対戦。ホーム&アウェーの第1戦は甲府のホームで2-2のドローに終わり、柏ホームでの第2戦。柏は4-4-2で甲府は3-4-2-1のフォーメーションでスタート。

試合は序盤から柏がボールを支配する展開になるが、守備時の甲府はCBとWBが一直線に並ぶ5バックを高く保ち、中盤の4人とコンパクトな間合いを作ってカウンターを狙う。

柏は甲府のラインを下げるためにサイドチェンジを繰り出すものの、甲府の寄せは素早くなかなか決定機を作れない。逆に、先制点を決めたのは甲府。前半14分にCKの流れから22のシュートが15の体に当たってゴールイン。

柏は2列目の3人がゾーンの間に入って縦パスを呼び込もうとするのだが、そこでボールを受けても次のパスが引っかかり、甲府の守備を崩し切るには至らない。甲府はボールを奪ったら素早くサイドのスペースに展開、WBを走らせて早いタイミングでクロスを入れる意識が徹底されている。

その後も柏は瀬川や小泉がミドルを放ち、40分にはクリスティアーノのFKもあったがどれも枠を外れて決まらず。柏が攻撃する時間は長くても、試合のムードとしては甲府に傾いた形で前半を終了する。

後半の立ち上がりは、意外にも甲府が猛攻を見せる。中山と代わって交代で入った小塚のワンタッチパスやスルーパスで甲府が3度の決定機を作るが、ゴール前で金園が完全にフリーだったのにわずかにクロスが合わないなどで追加点ならず。

ビッグチャンスをものに出来ないと、相手に運が流れてしまうのがサッカーで、後半16分に手塚のFKからクリスティアーノがヘディング、これがエデルリマの頭に当たってコースが変わり、甲府GK岡が何とか弾いたものの、それを瀬川が押し込んで柏が同点に追いつく。

アウェイゴール差で、このままでは敗退してしまう甲府は、1トップに入ったジュニオールバホスのキープ力で打開を図るも、このあたりから柏が運動量で甲府を上回り始め、一発のロングパスからクリスティアーノがGKと1対1になったが、シュートのタイミングを逃して岡に防がれてしまう。

終盤は、甲府が37分に道渕が強烈なミドルを打つも、柏GK滝本がファインセーブ、その直後に柏は中村がPA内から決定的なシュートを放つがこちらも岡がナイスセーブ。さらにロスタイムには高野のクロスにエデルリマが頭で合わせるもわずかに枠外、4分には小塚のパスから抜け出したジュニオールパホスがシュートもポストに当たり、そしてそのまま試合終了。柏が湘南との準決勝へと駒を進めた。

甲府はやってるサッカーは悪くないしチャンスは作っているんだけど、それを物にできず最後は辛抱できずに失点という苦しいパターン。柏は勝ち抜けたはいいが、攻撃がショートパス主体で小さくなりがちで、このままでは湘南の餌食になってしまいそう。鈴木大輔の復帰でDFラインからの大きな展開に期待したいところだろう。