「代表にとっては長谷部になって欲しいのに、逆に細貝への道を歩み続けている遠藤」ベルギー・ジュピラー・プロリーグ第6節 シント・トロイデン-KVオーステンデ

札幌ドームで行われる予定だったチリ戦は、6日に発生した北海道胆振東部地震の影響で中止。森保ジャパンにとってはのっけから躓く格好になったが、これはさすがにやむない判断だろう。

さて日本代表に招集されたシント・トロイデン所属の遠藤と冨安がスタメンで出場した、代表ウィーク直前の試合を昨日は観戦。シント・トロイデンは3-1-4-2のフォーメーションで、冨安は右CB、遠藤はアンカーで先発。対するオーステンデも同じ3-1-4-2のフォーメーション。

遠藤はバイタルでどっしり構えてパスを散らすようなアンカーではなく、ボールサイドに動いてバイタルに入って来る選手を早めにマークする遊撃的な役割を担っている。インサイドハーフのベズスとデサールも守備意識が高く、遠藤があちこちに動いてもスペースをカバーしてくれている。

ただ、全体的に守備意識が高い分、攻撃にかける人数が乏しい傾向にあり、シント・トロイデンの2トップ、ブヤとボリが孤立する場面が目立つ。前半24分に遠藤が良い形でボールを奪う場面があったが、パスを焦って審判に当ててしまう。その後は互いにゴール前でのシーンはあったものの、どちらも守備時は5バック気味に構えているのもあって、枠内シュートが0対1と決定機らしい決定機は無く前半を終了する。

後半7分、シント・トロイデンはFKからファーに飛び込んだテイシェイラがフリーでシュートもわずかに枠外。さらに9分にも右サイドから大きなクロスにボリがフリーでヘディングもやはり決まらず。27分、冨安の縦パスからシュートも相手GKのファインセーブと、せっかく訪れた立て続けの決定機を決められない。しかしその直後のCKで、PA左でボリの突破が相手に倒されPK、ボタカがしっかり決めてシント・トロイデンが先制する。

オーステンデも後半31分、FKからフリーでシュート性のクロスを撃たれるもそのままゴールを横切り命拾い。後半38分に、シント・トロイデンは関根を投入して2トップの右に置くと、関根はすぐにカウンターから中央突破で攻撃に絡む。後半ロスタイム、オーステンデのパワープレイを何とか耐えきって1-0で試合終了、シント・トロイデンは今シーズン初勝利を飾った。

冨安の守備は安定感があり、サイドチェンジ、縦パスなど攻撃面でも貢献、もうすっかりレギュラーとして定着、代表でも吉田の後継者として期待できる働きを見せていたが、遠藤のほうはちょっと心配。代表では動き回ってボールに絡む役割は柴崎を初めとしてたくさん居るのに対し、アンカーとして長谷部の後継になる選手がいないのが問題なのに、プレイスタイルがかつての細貝みたいになってしまっている。

だからと言って、遠藤はカンテのようにボールを奪い切れてるわけではなく、相手の攻撃をマークによって遅らせる役割しか果たせていないので、これ以上の相手だとバランスを取るプレイを覚えていかないと壁にぶち当たりそうだ。今のプレイを監督が望んでいるのかどうかは定かではないが、何か自分で殻を破らないと厳しい事は確かだ。