「なでしこジャパンは、研究された”自分たちのサッカー”の殻を破れるのだろうか」アジア大会 サッカー女子 準決勝 日本-韓国

決勝トーナメント1回戦で、最大のライバルである北朝鮮を破って準決勝へと進出したなでしこジャパン。準決勝の韓国戦は、日本は岩渕と菅沢が前線に並んだ4-4-2、韓国は4-3-3のフォーメーションでスタートした。

試合はいきなり、右サイドでのスローインから有吉のパスに抜け出した菅沢が、右足アウトサイドでのシュートを流し込んで先制すると、そのすぐ後にもカウンターで岩渕のスルーパスから菅沢がシュートも枠外と、畳み掛ける攻撃を日本が見せる。

リードを許した韓国はさらにプレスのスピードを高め、13分にはGK山下がサイドへ飛び出したスキを突いて、シュート性のクロスを送るがクロスバーに当たって得点ならず。

前半19分にもPA内からポストに当たるシュートを打たれるなど、韓国は日本に対して高い位置からプレスを仕掛け、日本の各ポジションの選手に自由なプレイを許さず、試合のペースを掌握する。さらに33分には中盤でのミスパスからシュートまで持っていかれる苦しい展開。

後半も日本はサイドを高く上げてボールを支配する韓国に対して後手に回る展開が続くと、23分に右サイドからのクロスをイ・ミナにヘディングを決められ同点。その後も日本は自陣でのパスミスからピンチを招く流れが続く。

しかし後半30分を過ぎるとようやく相手の運動量が落ち、日本が落ち着いてパスを回せるようになると、40分に右サイドへの展開から清水がクロス、菅沢が頭で折り返したボールを韓国DFイム・ソンジュが頭に当てたものの、そのボールがゴールに吸い込まれて日本が2点目をゲットする。

韓国はその後も猛攻を続けるものの、セットプレイからフリーな状態でのシュートを外すなど韓国もチャンスがありながら決められず、結局2-1で試合終了、日本は苦しみながらも2大会ぶりの決勝へと進出、相手は台湾を1-0で下した中国となった。

日本はFWとSHがマンマークに遭ってパスを受けられず、中盤でのミスからピンチを作る展開があまりに多すぎた。もっとサイドチェンジなどで近くのマークを外す展開が必要だったが、そういう流れを自ら作り出せるかどうかが優勝への鍵になりそうだ。