「久保裕也がまさかの開幕戦先発、そしてまさかの大迫化」ドイツ・ブンデスリーガ第1節 ヘルタ・ベルリン-ニュルンベルク

突然、ベルギーリーグのゲントからドイツ1部のニュルンベルクへの移籍が決まった久保裕也。怪我人が出た影響もあって、いきなり開幕戦から久保が4-3-3の左ウイングで先発。対するホームのヘルタ・ベルリンは3-4-3のフォーメーションでスタート。

マッチアップ的には、ヘルタのCBとニュルンベルクのFWが同数なのだが、ニュルンベルクの3トップはDFにはプレッシャーをかけず、インサイドハーフと一緒に中盤をサンドイッチする形で待ち受ける守備をしている。

そうなると、ヘルタは危険な中盤を飛ばしてサイドへ前線へ長いボールを送る攻撃が中心となり、逆にニュルンベルクは丁寧にパスを繋ぐサッカーを展開、久保も最初からボールに触る機会が多い。

しかし、前半の20分頃からヘルタがボランチの1枚が下がってゲームメイクをする事で攻撃のリズムを作り始めたのに対し、ニュルンベルクはアンカーのペトラクが高い位置を取りたがる事が多く、バイタルをヘルタの攻撃陣に使われて試合の流れがヘルタに傾き始める。

前半23分、カウンターでボールを受けた久保が左からカットイン、シュートGK正面というチャンスはあったが。逆に前半26分、ヘルタは右WBのラザロへ展開、ニュルンベルクの左SBレイボルドが1対1であっさりと抜かれ、クロスをドフリーのイビシェビッチに押し込まれて先制点を奪われてしまう。

さらに後半4分、ヘルタはFKからスタークがドンピシャでヘディングもGKがファインセーブ。ニュルンベルクも後半13分には左サイドを駆け上がる久保にパスが通り、タッチラインギリギリで追いつきシュートを狙うも角度が無さ過ぎてセーブされる。その後のCKではニアに入った久保が合わせるもポストに当たって外れる。

この攻撃から、ニュルンベルクは久保のオーバーラップにフィードを合わせる形が多くなるが、それにもヘルタは右CBを久保のマークに付けて封じ込め、試合は完全な膠着状態に。そして久保はウイングから左インサイドハーフへとポジションを移す。

後半37分、ロングボールを頭で落としたところに久保が走り込み、倒された場面がVARの対象になり、結果的にニュルンベルクのファールと判定されPK、しかいイサクのキックはGKにコースを読まれてセーブされ、結局試合は1-0のままで終了、久保の初陣を勝ち点で飾ることが出来なかった。

久保はトラップ、キックともに安定していてフィジカル以外は十分ブンデスリーガの選手と比べても遜色無いレベルを見せていたが、大迫と同様に久保に良いパスを出す選手がチームにいない。インサイドハーフになってから良くボールに絡んで攻撃を活性化させたのは痛し痒しで、やはり日本人選手はブンデスでは便利屋として使われる運命なのだろうか・・・