「いきなりレアルと対決した柴崎、ポジションを変えながらのフル出場は信頼感の証なのか?」スペイン・リーガエスパニョーラ第1節 レアル・マドリー-ヘタフェ

中島翔哉と同様、移籍の噂がありながらも開幕をヘタフェで迎えた柴崎。開幕戦はレアル・マドリーとのアウェイ戦で、柴崎は4-1-4-1の左インサイドハーフとして先発に名を連ねた。

絶対的なエースだったクリスティアーノ・ロナウドを失い、新たに前スペイン代表監督のロペテギが采配を振るうレアル・マドリーは、3トップがアセンシオ、ベンゼマ、ベイル、中盤がイスコ、クロース、セバージョスを並べた4-3-3。

昨シーズンにジダンが率いていたレアルは、あまり守備をせず前残りになるクリロナをフォローするためにマルセロがWBのように上がり、その後ろをクロースがSBのようにカバー、中盤に空いた大きなスペースをカバーするためにカゼミーロの守備力を必須としていたのだが、ロペテギのレアルはクロースをアンカーに据える代わりに、各選手が比較的ポジションと守備のタスクを守らせてバランスを取っている様子。

柴崎はインサイドハーフながら守備時にはクロースへプレスをかける役割で、何とかレアルのビルドアップを阻害しようとしていたのだが、やはりボールを回され始めると後手に回る事が多くなり、29分に右サイドからのクロスをベイルがヘディング、そのこぼれ球をカルバハルが頭でコースに流し込んでレアルが先制点をゲットする。

その後は柴崎がインサイドハーフからトップ下になった4-4-1-1に変更、よりクロースをマークする役割を与えられるようになるが、逆に攻撃の時に柴崎までボールが来る回数が減ってしまう。その後はレアルに2度ゴールネットを揺らされるがオフサイドとファールで難を逃れて前半を終了する。

後半が始まっても試合のペースは変わらず、早速後半5分にスローインを受けたヘタフェのCBジェネがアセンシオのプレスを受けてボールを奪われ、最後はベイルがきっちり押し込みレアルが2点目。2-0は危険なスコアと言われるが、サンティアゴ・ベルナベウではさすがにノーチャンス。これで事実上、試合は決まってしまった。

その後、レアルはモドリッチを投入して余裕のポゼッション、柴崎は右SHへ移動してフル出場したが、一度良い縦パスを出したのと右サイドからFKを蹴った場面、ロスタイムに相手に当たったシュートを打ったぐらいでほどんと見せ場無く試合終了。

リーグ戦では、昨シーズンはバルサの後塵を拝したレアルだが、ロペテギ監督になって世代交代を進めつつ各選手がより攻守でタスクを遂行するサッカーを作り上げ、ベイルの稼働率が心配ではあるが万全の準備が出来ているように思う。

ヘタフェはレアルが相手とは言え、前半にインサイドハーフをやっていた時間を除けば、攻撃ではほとんど何もさせてもらえなかった。ただ柴崎の絶対的なボールタッチ数は少なかったとは言え、前を向けばパスは通らなかったにせよ的確な判断は見せていたので、バルサやアトレティコ以外が相手ならボランチで使って欲しいのだが・・・いろいろポジションを変えながらもフル出場したのは信頼度がアップした証だとは思うが、それだけに明確な結果が欲しいところだ。