「中途半端にコンセプトを引きずる”ハリルホジッチ病”にかかったFマリノス」J1第20節 川崎フロンターレ-横浜Fマリノス

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Jリーグにおけるハイライン・ハイプレス戦術を掲げたチームは少なくないものの、高温多湿の夏場があるのと、インテンシティを備えた選手を揃える必要があるという理由で、成果を出せたチームは残念ながら多くない。あえて成功例を挙げるとすれば、オシム時代のジェフとチョウ・キジェ監督率いる湘南ぐらいだろうか。それでも、両チームはリーグを制したわけではない。

そして、アンジェ・ポステコグルー監督が就任した横浜Fマリノスも、ハイライン・ハイプレス戦術を標榜してシーズン当初は旋風を巻き起こしたが、W杯中断後は公式戦3試合で11失点と完全なネガティブサイクルにハマってしまい、この試合でも川崎フロンターレに対して枠内シュートはゼロの0-2で3連敗を喫してしまった。

とは言え、試合を見ていると横浜の守備はロジック的に間違っておらず、守備に回るとDFラインの4人がPAの幅をキープして下がり、サイドのスペースは基本的にSHが対処、戻りが間に合わなくてディフェンシブサードにボールが入ったらSBがサイドへ出て対処するという、ロシアW杯で見られた4バック守備のトレンドを抑えている。

ただ、それも中盤でイージーなミスが出てしまっては全くの無意味で、案の定、前半13分に横浜のミスから中村のスルーパスに大島が飛び出し、小林悠に折り返すがシュートは真上に打ち上げてしまって命拾い。横浜は15分過ぎると、DFラインからロングパスでサイドを走らせる攻撃にスイッチ、一旦はリズムを作るも攻撃がそればかりになってしまうため、だんだん中盤が間延びしてサイドチェンジも結局はミスになってしまう。

前半28分に、この試合は左SBで先発出場したイッペイ・シノヅカが、家長に飛び込んであっさり交わされ、そこから決定的なシュートを打たれてしまったが、横浜はラインを上げて攻めに出たところでミスが出て、ラインが揃わないうちにショートカウンター崩される、人は揃っているのに不用意なアタックを交わされて数的不利を引き起こすなど、リスクヘッジも不十分。

川崎の先発は1トップが阿部、2列目が家長、中村憲剛、小林悠という並びだったが、途中から小林悠が1トップ、2列目が阿部、中村、家長の並びになり、徐々に試合のペースを握り始める。トップ下の中村憲剛にはミスが多かったが大島がパスワークの中心となり、守田が実質アンカー役として大島を上手くフォローしている。

すると前半35分に、大島のダイレクトの縦パスから家長が抜け出し、折返しを今度は小林悠が決める。その後も川崎に2度ほど決定機があったが、FマリノスGK飯倉がファインセーブで追加点を許さず前半を終了する。

後半の序盤は、横浜がボールを支配。しかし中にはほとんどボールを入れず、ひらすらサイドで川崎のSBとSHの間を狙い続けるのみ。そしてそのうち足が止まってまた川崎がボールを保持するようになる。そして26分、ゆったりした流れから中村憲剛が中央にスパッとスルーパス、小林悠がトラップからワンステップでシュートを流し込み川崎が2点目。

横浜は相変わらずサイドからのクロス偏重ながら、30分にFKの折返しから中澤がフリーになるもシュート出来ず。その後も良い形でボールを奪う場面があっても、ミスであっさり川崎にボールを明け渡してしまう。後半ロスタイムに横浜はやっとこさ猛攻を見せたものの、ウマルのシュートはサイドネットで万事休す。

サイドチェンジで基点を作り、サイドのパスワークがニアゾーンを崩し、クロスで仕留めるという横浜のコンセプトは分かるんだけど、それらの攻撃が高い位置でボールを奪う事が前提になっているのに、川崎にボールを持たれて前提が崩れた状態であっても、ひたすらコンセプトにこだわり続けているのがチームが機能しない原因であるように思う。

E-1選手権で韓国に惨敗した試合が典型だが、デュエルで負けているのに縦に早いサッカーをやろうとして間延び、前線で基点が出来ても後ろからの攻撃参加が間に合わずバックパスと、コンセプトの前提が崩れてしまうとチームはどうしようも無くなってしまう。夏場が終わるまでブレずに我慢するか、コンセプトを根本から見直すか、どちらにせよ当面は茨の道が待っている事は間違いないだろう。

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2018/08/08 | Jリーグ

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