「盤石のように見えるチームスカイにわずかなヒビ?」ツール・ド・フランス2018 第14ステージ

ラスト1.5kmが平坦とは言え、最後に平均勾配10%を超える2級峠、クロワヌーヴが控える勝負どころの第14ステージ。

序盤は強風による集団の中切れで、有力候補が後ろに取り残されたりしたが途中でまとまり、そんな混乱の中で総勢32人もの逃げが決まってしまう。その中で最も総合成績が良い選手がトップとは40分近い差があるため、メイン集団は完全に逃げを容認、最大20分もの差がついてステージ優勝は逃げ集団の中に絞られた。

残り59km地点になる2級山岳クロワ・ド・ベルセルでは、逃げに乗った山岳賞ジャージのアラフィリップが取りに行くのかと思いきや、イサギレ、スラフテル、ストゥイヴェンの3人による逃げが決まり、続く3級峠ではその中からストゥイヴェンが単独でアタック、最後のクロワヌーヴ峠も逃げ切りを図る。

が、ジルベールやランパートといった実力者を含む逃げ集団も勝利を諦めずに追撃、その中からデヘントがアタックするとフライレが追走、フライレは残り3.5km地点でデヘントを突き放し、2kmのところでストゥイヴェンを交わし、そのまま先頭でゴール。2位には後続から抜け出したアラフィリップが入って山岳賞ポイントを積み重ねた。

そして15分以上の差がついたメイン集団では、クロワヌーヴの登りで総合4位のログリッチェが単独でアタック、チームスカイもベルナルのアシストにマイヨジョーヌのゲラント・トーマス、フルームの3人で追走、最後にデュムランがカウンターアタックを仕掛けるが、トーマスとフルームはしっかり食らいつき、ログリッチェから7秒遅れでまとまってゴール。しかしキンタナとバルデは彼らから10秒以上のタイムを失った。

トーマス、フルームのチームスカイによるワンツー体制は揺るがなかったが、昨年までとは違ってアシストに余裕が無く、フルームもジロ・デ・イタリアの疲れがあるのか、トーマスから差をつける余力が無いように見える。ここからベルナルが力尽きるような事があると、もしかすると波乱が起きるかもしれない。つーか、せっかくだから何か起こって欲しいよね(笑)。

今日の第15ステージは1級山岳があるとは言え、その後の40kmは下り基調のコース。総合争いはおそらく休憩となり、逃げ屋同士による熱い戦いが見られそうだ。