「他チームよりも90分多く戦ったクロアチア、獲得したのは疲労をはるかに上回るメリットだった」ロシア・ワールドカップ 準決勝 クロアチア-イングランド

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準決勝のもう1試合は、決勝トーナメントに入ってから2試合の延長戦をこなして来たクロアチアと、準々決勝は90分で勝ち上がり、日程的にも間隔が1日多くて有利と目されていたイングランドとの対戦。

怪我人や疲労が心配されたクロアチアだが、クラマリッチに代えてブロゾビッチが入った以外は同じメンバー。ただしフォーメーションはラキティッチとブロゾビッチがボランチ、モドリッチがトップ下に入った4-2-3-1。対するイングランドは準々決勝と同じメンバーの3-1-4-2。

試合はいきなる動く。前半4分にゴール正面でアリがモドリッチに倒されてイングランドがFKを得ると、トリッピアのキックはクロアチアの壁を超えて決まり、早くもイングランドが先制点をゲットする。

これでイングランドは5-3-2の形で自陣に全員が入ってゾーンを固めるアンチフットボールからカウンターでスターリングを走らせるカウンター狙い。クロアチアはボールは支配するが、イングランドのゾーンの外側でしかパスを回せず、モドリッチは人に囲まれてボールに触れない。

逆にイングランドは華麗なパスワークは無いものの、ケインを始めとして各選手にキープ力があり、少ない機会でも確実にボールを繋いでクロスやセットプレイで高さ勝負を仕掛けて来る。

攻撃が機能しないクロアチアは、ブロゾビッチがアンカーでラキティッチとモドリッチが並ぶ4-3-3に変更、31分にはクロアチアはようやくモドリッチが右サイドの深い位置で基点を作ってシュートもイングランドGKピックフォードの正面。

イングランドも35分にゴール前でボールを繋いで最後はリンガードがシュートも精度を欠く。その後はどちらも相手ゴール前に迫る場面はいくつかあったものの、スコアは動かずイングランドがリードして試合を折り返す。

後半のクロアチアは、3バックの両脇にあるスペースに2トップを走らせ、そこにロングボールやサイドから早めのアーリークロスでボールを集め、セカンドボールにモドリッチとラキティッチが絡んでリズムを作る。

イングランドが自陣を固める展開は前半と変わらないものの、5-3ゾーンの位置が明らかに低く、クロアチアにPAのすぐ外でボールを回され、カウンターになっても選手間の距離が長くてミスになり、徐々にイングランドのムードが悪くなって行く。

すると後半23分、右サイドに開いたヴルサリコへの詰めが甘くなったところでクロスを入れられ、ファーサイドから中へ飛び込んだペリシッチが左足で合わせてクロアチアが同点に追いつく。

勢いに乗るクロアチアは、後半26分にイングランドの3バックがロングボールへの対応が甘くなったところを拾い、ペリシッチが左サイドを破ってシュートを放つもゴールポスト、跳ね返りをレビッチが合わせるもGK正面の決定機。

当然、イングランドは攻めに出ようとするのだが、3バックの位置が低いままなので中盤にスペースが生まれ、クロアチアは確実にボールを繋ぎ、サイドチェンジを交えてイングランドの守備を振り回し、チャンスに結びつけて来る。

イングランドはここでスターリングに代えてラッシュフォードを入れるが、高い位置からプレッシャーをかけるクロアチアに対してアバウトなロングボールを蹴る事しか出来ず、セカンドボールを拾われる展開。

36分にはマンジュキッチがPA内で振り向きざまのシュートを放つがGKが何とかキャッチ。その直後にもイングランドGKピックフォードが前に出たところでペリシッチが浮き球のシュートを狙うがバーの上と、いつクロアチアが逆転してもおかしくない流れ。

イングランドはようやく後半ロスタイムにPAの右前からFKをゲットするが、トリッピアのキックに合わせたケインのヘディングはヒットせず。結局90分間では決着が付かずに延長戦へと突入する。

延長開始からイングランドはヤングに代えてローズを投入、右サイドの高い位置で基点を増やす狙いを見せる。クロアチアはストゥルニッチが怪我でピバリッチとこの試合初めての選手交代。さらにヘンダーソンに代えてダイアーを入れるイングランド。

フレッシュな選手を入れて攻撃に勢いを増したイングランドは、延長前半8分にCKからストーンズがフリーでヘディングするも、ライン上でブルサリコがクリアしてゴールならず。

延長になって疲れが見えるクロアチアはクラマリッチを投入。前半ロスタイムに左からのクロスにマンジュキッチが飛び込むがGKピックフォードがシュートをギリギリ足に当てて防ぐ。

後半はクロアチアが反撃、まずCKからサインプレーからフリーで走り込んだブロゾビッチがシュートを放つと、後半3分にウォーカーのクリアミスをペリシッチが頭で繋ぐと、イングランドDFがボールウォッチャーになった瞬間をマンジュキッチが見逃さず、ラインを抜け出してニアにシュートを決めてしまう。

ここでイングランドはヴァーディを投入、何とか同点を狙おうとするが、トリッピアが怪我をして退場したため10人になってしまう。そして試合をコントロールするのはクロアチア。イングランドはロスタイムに相手のハンドからFKを得るが、何故かピックフォードは上がらずクリアされ試合終了。クロアチアが自国史上初、そしての3試合連続で延長戦を勝ち抜いたのも史上初のおまけ付きで、フランスとの決勝へと進出した。

イングランドは若さゆえの経験不足を露呈、あまりにも先制点が早過ぎて気持ちが守りに入ってしまい、ハーフタイムでも方針が整理出来ず迷いを抱えたままプレイ、クロスへの寄せが甘くて同点にされたのはブラジル大会のコートジボワール戦を思い起こすし、3バックのサイドという穴を試合中に修正できず、交代策で何も改善出来なかったのは今回のベルギー戦のようで、何とも親近感を感じる敗戦だった(笑)。伸びしろがまだまだあるチームなので、4年後が楽しみ・・・の前にまずは3位決定戦だね。

クロアチアはさすがの経験で、失点しても全く慌てずチームの意思統一が失われる事無く、試合の流れを読んで攻めるべき時に攻め、きっちり逆転してみせた。延長戦3回で90分間を余計に戦っているわけだが、その疲労よりも120分の試合をマネージメントする経験値の獲得が上回っている感があった。フランスとの決勝戦は好試合が望めそうで楽しみだ。

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2018/07/12 | ワールドカップ

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