「クロスはあってもケーヒル無し、VARでかろうじて命をつないだオージー」ロシア・ワールドカップ グループC デンマーク-オーストラリア

初戦はフランス相手に惜敗したオーストラリアと、ペルーに快勝したデンマークとのグループCの第2戦。オーストラリアは浦和のナバウトが1トップに入った4-2-3-1、デンマークはエリクセンがトップ下に入った4-2-3-1のマッチアップ。

試合は序盤からデンマークのSHが中に入ってオーストラリアの守備を中に寄せ、空いたスペースにSBが上がって2-4-3-1のような形で基点を作ってオーストラリア陣内でボールをポゼッション、オーストラリアがカウンターを狙う展開。

そしていきなり試合が動く。前半6分にデンマークはスローインからの流れで前に飛び出したヨルゲンセンが落とし、フリーでスペースに走り込んだエリクセンがボレーシュートを決めてデンマークが幸先よく先制点をものにする。

オーストラリアも、相手のSBが上がったスペースを使って、レッキーやナバウトが流れて基点を作る狙いがあるのだが、デンマークの戻りも速くてなかなか決定機を作れない。

前半25分頃からデンマークはおそらく意図的にペースを落とし、オーストラリアがボールを持つ時間が増えて来る。このままデンマークは前半を逃げ切るつもりでいたのだろうが、今大会で猛威を奮っているあの刺客に刺されてしまう。

前半35分にオーストラリアのCKをデンマークがクリア、そのまま試合は流されたが、しばらく経って審判が試合をストップ。VARを確認したところ、レッキーがヘディングしたボールをポールセンが上げた手に当たったという判定でPK。これをイェディナクが冷静に決めてオーストラリア同点。

後半になると、どちらもボールを奪ってから攻撃に人数をかけるようになって、ゴール前でのシーンが増え始める。むしろ後半はオーストラリアのほうがSBが積極的に攻撃参加、サイドからクロスを浴びせるシーンが多くなる。が、エリクセン、シストを擁するデンマークも中央でパスを繋いでオーストラリアゴールに迫って来る。

後半25分頃にオーストラリアはモーイの強烈なミドル、カウンターからロギッチのシュート、その直後にはシストのファーへ巻くミドルと互いに惜しいシュートを放つ。30分にナバウトはおそらく肩を脱臼して浦和にとっては痛い退場。

さらに後半35分、途中出場の19歳アルザニが右サイドをスルスルと抜け出し、ライン際からフリーでグラウンダーのクロスを出すが誰にも合わず。後半42分にはカウンターから左サイドを破ったアルザニがシュート、こぼれ球からレッキーが左足を振り抜くも、どちらもデンマークGKシュマイケルのセーブに阻まれる。デンマークもロスタイムにCKからシュートを打つ場面はあったが得点には繋がらず、結局1-1のドローで試合終了。

試合の前半こそデンマークのペースだったが、後半はむしろオーストラリアが運動量と出足で勝り、攻撃の形ではオーストラリアが圧倒していただけにもったいないドローだった。クロスの数は出せていたのに、なぜプレーオフのヒーローであるケーヒルを投入しなかったのだろう。まあ、それでも何とかグループリーグ突破の可能性は残した。最終戦はペルーにきっちり勝って、フランスが空気読まずにデンマークに大勝してくれる事を願うしか無い。