「スカウティングと守備組織という、今大会のテーマを象徴する劇的な結末」ロシア・ワールドカップ グループB モロッコ-イラン
- 2018.06.17
- ワールドカップ
昨日は朝から恒例のイベントに出かけていたのでヘロヘロ、帰宅してからはスペイン対ポルトガルを見ようと思っていたんだけど、そのイベントで会った友達や、Twitterでもおすすめされていたイラン対モロッコの試合を見てみた。
フォーメーション的にはモロッコもイランも4-1-4-1で、どちらもカウンターを得意とするチームではあるが、試合が始まってみると、どちらかと言えばモロッコがボールを保持し、イランが粘り強く守る展開。
イランの守備は、ロシア対サウジの試合でロシアが仕掛けた形と非常に良く似ており、モロッコのCBに対してはプレッシャーをあまりかけず、コンパクトなゾーンを引きながらもボランチやサイドにはしっかりマークを付けてボールを出させない狙い。
試合が少し動いたのは前半18分、FKからモロッコPA内で攻め込むも得点ならず。19分、イランはカウンターからアズムンが抜け出しシュートも決めきれず。
後半もモロッコが攻めに出てイランが受ける展開。後半はNHKの戦術カメラをメインに見てたけど、イランはラインを細かく上げ下げしながら1トップをどちらかのCBがマーク、2列目の飛び出しやSBのオーバーラップもきっちり監視している。そして攻撃では、相手のミスを拾ったらすぐさまワイドに展開。中央が分厚いモロッコの守備を掻い潜ろうとしている。
後半25分頃からは、イランの運動量が落ちて時々モロッコがゾーンの間でボールを受けられるようになり、それまで奮闘していたアンカーのイビラヒミが怪我で退場。すると34分にモロッコのジヤシュが強烈なミドルを放つもイランGKベイランバンドがファインセーブで凌ぐ。
体力的に厳しいイランは、決してドロー狙いでは無かっただろうが、終盤はイブラヒミに代わって入ったホセイニがCBに入った5バックになり、ボールを奪っても大きくクリアするだけで全くシュートチャンスが無く、6分の長いロスタイムに突入。
するとロスタイム3分、イランは左サイドの高い位置でファールをもらってFKを得ると、ハジサフィが左足で蹴ったボールをニアにいたモロッコのブアドゥズがお手本のようなダイビングヘッドを決めてしまってイランがまさかの得点。そしてそのまま逃げ切り、イランとしては20年ぶり、今大会ではアジア勢初となる勝ち点3をゲットした。
もちろんイランの集中力は素晴らしかったのだけど、モロッコの攻撃を研究し尽くした守備プランを見ても、ロシアは組織を減退させる暑さもどれほど無いので、今まで以上にスカウティングが試合を左右する大会になる事は間違いない。どっかにそれが得意な監督を投げ捨てた国があったみたいだけどね(苦笑)。
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