「岡ちゃんの図抜けた経験を活かせない日本サッカーの不幸」岡田武史とレジェンドたちが斬るFIFAワールドカップ

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土曜日にNHKで放送された、「岡田武史とレジェンドたちが斬るFIFAワールドカップ」を何となく見始めたところ、今まで知らなかった裏話だらけでメチャクチャ面白かったので、放送での要点を抜粋してみました。

出演者は、岡田武史、ラモス瑠偉、木村和司、水沼貴史、山本浩アナ、松井大輔で、松井は後からサプライズで登場する形で始まる。

まずメキシコW杯予選の日韓戦、水沼貴史と木村和司が出場、岡田武史はベンチ。木村和司の伝説のFKで得点は決めたが、試合は1-2で敗戦、W杯には出場できなかった。

W杯に出るためには日本にプロサッカーリーグを作るしか無いと決意、Jリーグ設立へと動き始める。

代表ではハンス・オフトが就任、トライアングルやアイコンタクトといった戦術的なキーワードを取り入れ、92年のアジアカップで日本が歴史上初めて優勝した。

93年にJリーグが開幕、その当時岡田さんはドイツに留学していた。そして同じ年にアメリカW杯アジア最終予選が行われ、あのドーハの悲劇を迎える。

日本は第4節までで首位に立ち、最終戦でイラクに勝てばW杯への出場権を得られるはずだった。試合は前半で日本が1-0でリード、この時にロッカールームでは皆が大騒ぎして収集がつかなくなっていた。そしてロスタイムにあのヘディングゴールで、天国から地獄へ一直線。

中継のゲストだった岡田氏は思わず絶句、同席していた田嶋氏に無理やり振って何とか持たせたが、その後の北朝鮮戦でも出演が予定されていた岡田氏は、実は田嶋氏に任せてブッチしていた。

イラク戦の最後は、暑さやピッチの芝の長さに疲れ切っていて足が動かず、カズを目掛けて出したパスが弱くて相手にカットされ、カウンターからロスタイムのCKに繋がってしまったとラモス談。

4年後のフランスW杯最終予選、日本は3戦目のホーム韓国戦で逆転負け、続くカザフスタン戦でもロスタイムに追いつかれてドローに終わり、1位通過が絶望的になって加茂周監督が更迭、コーチだった岡田武史氏が監督に就任した。

「俺は厳しく行くぞ、付いてこられない奴は帰っていいぞ」と言い放ち、それまでのコーチから監督になった事で、選手とは一線を画した立場だと意識したが、実はウズベキスタン戦の1試合だけを引き受けるつもりだった。

ウズベキスタン戦でも終盤に追いついて何とかドローに終わったが、その強運に「ひょっとしたらひょっとするな」と言って炎上したが、その後に選手が泣いているのを見て、このまま辞められないと思い、加茂元監督に続投の意思を告げた。

次のアウェイ韓国戦で勝利して予選突破を手繰り寄せたが、岡田氏はコーチ時代に韓国を研究していて、3バックにプレッシャーをかけたら墓穴を掘ると見切り、その策がうまく行った。

岡田氏は当時ジャージを着ていたが、実はスーツを1着しか持っていなくて、雨が降ったらそこで終わりだったので、協会が2着以上を支給してくれるようになったので、ようやくスーツ姿でピッチに出る事が出来た。

そしてプレーオフのイラン戦、アジジが車椅子に乗って出場出来ない芝居をした事が当時の話題になったが、岡田氏や水沼氏は偵察で見抜いており、練習の邪魔ばかりをするイラン代表を見て眼の前の試合に集中していないと看破していた。

そしてジョホールバルの歓喜、最後に岡野のゴールが決まって勝利した後のチームバスは、まるで試合に負けたかのように静まり返っていた。皆、喜びよりも「これで日本に帰れる」と安堵していた。

岡田氏は日本に帰ってから加茂氏に会いに行くところをマスコミにマークされ、A級ライセンス持ちのドライバーによって巻いた事もあったが、危ないので会見で話すからとマスコミを説得した。

フランスW杯本番、カズ外しの件で周りの人間が一気に離れた。ベンゲルと飲む機会があり、アドバイスに従って監督をしている間だけはタバコを吸うようになった。

初戦はアルゼンチンとの試合だったが、選手は「バティやベロンがいるぞ」と浮足立っていたので、選手が普段の力が出せるように、メディアの強烈な圧力に晒されぬよう努力したが、結果は3戦全敗で終了。その後に岡田氏は現地に残って試合を観戦したが、あそこに自分がいたとは信じられなかった。

トルシエジャパンで臨んだ2002年日韓W杯、初戦のベルギーに引き分けた後、おそらく宮本からラインを上げたらやられるので、どうしたらいいですかと岡田氏に電話があった。自分たちで考えろと言ったが、選手が自分で考えた事に感銘を受けた。でも木村和司はトルシエとハリルを嫌いだった(笑)。

ジーコジャパン、テストマッチのドイツ戦に引き分け、ベッケンバウアーからも日本は強いというお墨付きをもらい、岡田氏も強いと思ったのだが、結果は未勝利で敗退。松井が言うには、チームの中が完全にバラバラだった。

相手の分析をスタッフが懸命にやったが、結局ジーコはサッカーは楽しまなくちゃという事で、分析データを無視した、木村和司もラモスもその姿勢に賛成した。岡田氏が言うには、日本人は規律に従い続けるだけで自分を出せてないと指摘。

そして2010年の南アフリカ大会。それまでは「接近・展開・連続」のプレッシングショートパスサッカーを志向していた岡田ジャパンだったが、実は御本人は半年前に通用しないのではないかと感じていた。

球際で勝つ、運動量で勝つ、中距離パスの精度を上げるというテーマを掲げていたが、最後の目標が達成できそうに無かったので路線を変更した。日韓戦で内容は悪くなかったのに負けた事で、これが一種のサインだと思って変更を決意した。

フォーメーションをどうするかと考えたが、コートジボワール相手の練習試合の3本目で、たまたま4-5-1の形が上手く嵌って採用した。そして本大会の3試合目デンマーク戦で、勝ち抜けには引き分けで良かったが、守りに入るのが怖くて4-4-2にしたらトマソンにやられまくり、4-5-1に戻して勝利した。

決勝トーナメントのパラグアイ戦ではPK戦で敗れてしまったが、選手は勝つと確信していた。でもその楽観的な雰囲気が漂っていて、岡田氏にとってもグループリーグ突破で満足していた部分があったのではないかと思った。

松井から、その時まではサブ扱いだったのに何故本大会で起用したのかという質問には、最後の土壇場で戦える奴を使いたかった。逆に香川真司を外したのだが、香川は自分で結果を出す事だけしか考えていなかった。全員がハードワーク出来るチームに統一したかった。ボールを取られて天を仰ぐ選手はいらなかった。

ザックジャパンは結果も内容も出していたけど、岡田ジャパンのような最後で力を出し切る、ハードワークの姿勢が欠けていたのじゃないかと水沼氏と松井が指摘。

ラモスは、日本に骨を埋める気がない、アジアに興味がないヨーロッパから監督を連れてくる事には反対。日本人の良さを理解した、ネルシーニョやオリヴェイラを起用すべきという意見。

岡田氏としては海外でプロとして活躍した選手が監督になるべき。中田にも監督やれと言っている。日本人は機能と感情の部分が切り分けられないので、正当な評価がし辛い。実績で誰も文句が言えないような人物が監督になって、初めて日本人で凄い監督が出て来るのではないか。

ぶっちゃけ、出演者は6人いたけど、岡ちゃんの存在感、言葉の重みが他の人たちとはまるで違っていましたね。それだけ、岡ちゃんが代表を通じて積み重ねて来た経験の圧倒的な差が、そのまんま表れているのだと思います。

Twitterでもつぶやきましたが、普通の日本人監督の場合、西野監督を見てもスポンサーや上司のしがらみでメンバー選びで妥協し、スター選手に妥協して戦術が曖昧になり、結局コンセプトが良く分からない中途半端なチームになる事が多いのですが、岡ちゃんの強みは自分でそういった逃げ道を作らないところなんですよね。自分の退路を断つからこそ、選手にも覚悟を求められるんですよ。

外国人監督の場合、たとえ失敗しても日本から別の国に行けばいいわけで、しがらみを考える必要がありません。そこが、まだ代表で日本人監督を起用すべきでないと個人的に思っているポイントの1つなのですが、岡ちゃんは日本人でありながら、どんな状況でもしがらみを考えずに采配を振るえる唯一の人物と言っていいでしょう。

そりゃ、それまでは単なるコーチだったのにアルマトイで加茂監督が更迭、そこから弱冠41歳にして日本の期待を一心に背負い、ジョホールバルでのプレーオフでW杯行きを決め、カズ外しの件では日本中からバッシングを受けるなど、それこそ死ぬか生きるかギリギリの戦いを生き抜いて来たのだから、しがらみなんて鼻糞程度にしか思ってないのも当然です。

本来であれば岡ちゃんのような人こそ協会のトップであるべきなのですが、実際は副会長を退任し、S級ライセンスも返上と、その貴重な経験を活かす舞台がFC今治だけになってしまったのは本当に残念です。結局、日本協会は永遠にしがらみからは逃れられないと悟ったゆえの結論なのかもしれませんけどね。

北澤氏もすっかりしがらみの中で生きる人になっちゃったし、岩政も西野ジャパンに対して奥歯に物が挟まった物言いだし、日本協会がサッカーの事を第一に考える組織になるには、宮本や中澤の代まで待たないといけないんでしょうかねえ・・・

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2018/06/11 | 日本代表

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