2017-2018シーズン海外組通信簿(ベルギー、トルコ、メキシコ編)

このシリーズもようやく最終回、なんか誰か忘れているような気がするけどまあいいや(笑)。

 

ベルギー・ジュピラー・プロリーグ

久保裕也 6

昨シーズンからゲントの主力選手として定着、今期もトップ下として順調に結果を出していたが、年末あたりから突然シュートがうまく決まらなくなり、チームも両サイドにアフリカ系選手を置いた形を取るようになってサブに降格、代表でもウクライナ戦で絶好機を外すなどハリルホジッチを救う事が出来ず、終盤にまたスタメン復帰してゴールを決め、シーズン11得点という結果は出したがW杯メンバーからは落選。チームはELに進出するも失意のオフシーズンになってしまった。そろそろベルギーからステップアップして欲しいが、来期はどうなるだろうか。

森岡亮太 7

今期、ポーランドからベルギーのワースラント=ベフェレンに移籍するとまたたく間にチームの王様となり、12試合で6G7Aという結果を積み重ねて早くも冬に強豪のアンデルレヒトへ移籍を果たす。難しいとされる冬の移籍、しかもライバルが多くパスも簡単にはもらえない環境で苦しむのではと危惧されたが、純粋なトップ下からシャドーストライカーとして巧みにスタイルを変え、あっさり主力として定着したのは驚くべき柔軟性である。
ただ、強い相手とやった場合は試合から消える事も多く、プレイ・インテンシティの弱さを感じるのも事実で、やはりW杯代表からは落選。年齢的にさらなるステップアップは難しく、もっと若いうちにベルギーで揉まれていればと、ついつい思ってしまうのだ。

冨安健洋 4

同じ冬の移籍だったが、森岡とは対象的に適応で苦しんだシーズンだった。ずっと控え中心のチームでしかプレイできず、ようやくシーズン最終盤のプレーオフ・アントワープ戦で後半ロスタイムに出場したのみ。ただトゥーロン国際大会でのプレイを見ても、終始落ち着いた対応を見せており無駄に時間を過ごしてないのが分かってホッとしている。来期はぜひスタメンでの活躍を期待したい。

豊川雄太 8

鹿島では出番が無くてファジアーノ岡山へレンタル移籍、そこでの契約が満了したと思ったら突然ベルギーリーグのオイペンに完全移籍。何が気に入ったのかと誰もが疑問に思ったはずだが、まさかリーグ最下位で迎えた最終節に途中出場、そこで何と3G1Aを決めて得失点差をひっくり返してチームを残留に導くという、漫画でさえ無理筋過ぎて書けない奇跡を起こしてしまったのには仰天した。その後、プレーオフ2でも3ゴールを決めてすっかりチームのアイドルとして定着、あのマケレレ監督からの信頼も厚く、2020年までの契約延長を勝ち取った。ロシアには間に合わなかったが、年齢も23歳とまだ若く、次の代表でぜひ呼んで欲しい選手である。

 

トルコ・スーパーリーグ

長友佑都 7.5

近年は戦術面での研究が進んで、背の低いSBがロングボールで狙われるようになり、もともとゾーン・ディフェンスに不慣れな事もあって、守備面を重視する監督からはファーストチョイスで選ばれなくなり、インテル愛を貫きながらも最終的にはW杯のためトルコのガラタサライへ移籍。するとイタリアの堅苦しい守備戦術から解き放たれて活き活きと上下動を繰り返し、リーグ優勝とCL出場権獲得に大きく貢献、クラブやサポーターからチームに不可欠な選手として完全移籍を望まれる存在になった。長友本人もガラタサライに残る希望を持っているらしいが、インテルも安売りをするつもりは無く、まだ状況は不透明である。まあ誰が見てもイタリアは出たほうがいいよね。

 

メキシコ・リーガMX

本田圭佑 6.5

今シーズンはミランから電撃的にパチューカへ移籍、シーズン序盤はフィットネスが伴わず出番が無かったが、第13節から先発に定着すると、攻撃的なインサイドハーフとして得点に絡み続け、結局シーズンで7ゴール7アシスト、後半戦のベスト11にも選ばれる活躍。クラブではチームの戦術タスクを献身的にこなしているのに、代表となると突然2列目のポジションにこだわり「俺のサッカー」に固執するのが本当に謎。来期はパチューカを離れるらしいが、いい加減「俺」の視点を脱却して日本サッカー全体を考えた立場になってもらいたいのだが、やっぱり無理な相談なんだろうか。