「後半から手抜きしてしまったFC東京、あわやジャイアントキリングを食らいかける」天皇杯2回戦 FC東京-流経大ドラゴンズ龍ケ崎

ここからJ1、J2勢が登場する天皇杯2回戦。1回戦で山形大学を退けた流経大ドラゴンズ龍ケ崎と、FC東京の試合をNHK-BSでやっていたので昨日はそれを観戦。

流経大ドラゴンズ龍ケ崎は、流経大のセカンドチームながらJFLに所属、11試合で8失点とリーグ最少失点を記録しているチームで、この試合は4-2-3-1のフォーメーションで先発。対するFC東京は、リーグ戦の中断期間中とあってかほぼベストメンバーで、永井とオリヴェイラの2トップを並べた中盤ダイアモンドの4-4-2。

試合は序盤からドラゴンズが3ラインのコンパクトなブロックを作り、積極的に高い位置からプレスをかけてハーフカウンターを狙い、FC東京はそれを見越して一旦バックパスでDFに返し、ダイレクトで永井を相手DFラインの裏へ走らせるロングパスでドラゴンズの勢いを逆に利用する展開。

その狙い通り、FC東京は前半9分に永井のクロスを防いだ後のCKから、オリヴェイラのシュートをドラゴンズGK羽野が弾いたボールを橋本が押し込んで東京が先制、その後は東京が試合をコントロール、29分にCKから丸山がフリーで放ったヘディングはクロスバーに彈かれたが、36分に左サイドでのパスカットから、クロスを中に飛び込んだ高萩が合わせて2点目。

前半はドラゴンズの攻撃をしっかり受け止め、確実にチャンスを作っていた東京は余裕の試合運びのように見えたのだが、ハーフタイムで緩んでしまったのか後半は大苦戦。ドラゴンズは4-4-2にフォーメーションを変更、2トップが東京のアンカー橋本の両脇に下がってボールを受けることでリズムを作ると、後半10分にFKからの流れから佐藤がミドルシュート、これが園山に当たってコースが変わり、FC東京ゴールに決まって反撃開始。

ドラゴンズは13分に太田のFKを10番の山口が手に当てたとの判定でPKを取られるが、オリヴェイラのキックはドラゴンズGK羽野が最後までキッカーの動きを見る冷静な対応でファインセーブ、東京に追加点を許さない。すると21分に、ドラゴンズは東京が攻め込んでいた状態からのカウンターからスルスルと加藤が抜け出し、冷静にGKとの1対1を決めてとうとう同点に。

これでようやく尻に火がついたのか、後半39分に東京はカウンターから右サイドを室屋が駆け上がり、クロスをオリヴェイラがヘディングで叩いたシュートがGK羽野の頭上を抜いて東京が突き放す。しかしドラゴンズも諦めず、44分にミドルシュートからのこぼれ球を加藤が押し込むがGK林がかろうじて防ぐ。

そして勝負が決まったのは後半43分、東京はまたも右サイドを抜け出した室屋にスルーパスが渡り、柔らかく折り返したボールをオリヴェイラが下がりながらのヘディングを合わせて4点目。FC東京はあわやジャイキリを食らいそうな危うい試合展開だったが、何とか終盤の2ゴールでドラゴンズを突き放し3回戦へと駒を進めた。

天皇杯2回戦の中では、J1勢ではガンバが関西学院大学に、名古屋は奈良クラブに敗退で、昨年に比べるとジャイキリは半減したが、今年はメンバーを落としていたチームが少ないだけにちょっと情けない結果。鳥栖は大勝したものの、リーグ戦で低迷しているチームの調子がはっきり出てしまった2回戦だったと言えるだろう。