2017-2018シーズン海外組通信簿(ドイツ編その2、イングランド、フランス)

他の国では2部リーグは情報が無さ過ぎて取り上げないんだけど、ドイツだけは別格でリストアップ。そしてプレミアリーグと、フランス・リーグアンを取り上げます。

 

ドイツ・ブンデスリーガ2部

原口元気 6.5

契約がこじれてヘルタからデュッセルドルフにレンタル移籍。さすがに1部でも上位をキープするチームのレギュラーだった原口は、ブンデス2部では別格の働きを見せ、攻撃の中心として文字通りデュッセルドルフのリーグ優勝の原動力となった。が、終盤は攻撃面では宇佐美のほうが目立ってしまい、結局ヘルタ時代のように守備に回る役目が増えてしまったのは、そういう星の下に生まれてしまったせいだろうか。来期はデュッセルドルフには残らないらしいが、やはり1部で下位になるのは確実なチームではヘルタ以上の労働者扱いになってしまう可能性が高いからだろう。果たしてW杯後に望み通りのオファーが来てくれるのだろうか。

宇佐美貴史 6.5

バイエルン、アウグスブルクとドイツでは鳴かず飛ばずだったが、原口というお手本が居たおかげか、デュッセルドルフでようやくまともなポジショニングを理解するようになり、もとからシュート力など攻撃センスは日本人の中でも飛び抜けていたので、リーグ後半戦では原口のほうが先に交代するぐらい、押しも押されもせぬ主力選手にのし上がった。宇佐美本人はデュッセルドルフに移籍する意思は硬いものの、1部になると相対的に今シーズンのような王様プレイで通すのは不可能で、原口もいなくなるとすると、あまり楽観視は出来ないところ。そういう不安を吹き飛ばす活躍を期待したい。

関根貴大 3.5

今シーズンからインゴルシュタットに3年契約で移籍するも、ヴァルプルギス監督がわずか3試合で解任、その3試合目で先発して失点に絡んでしまったのもあって、リーグ終盤にようやくベンチ入りする機会は増えたものの、結局出場機会は巡って来ず。まだチームへの適応が不十分という事で、来期は他のチームへのレンタル移籍が検討されているらしいが、果たして日の目を見る時はやって来るのだろうか?

宮市亮 -

2015年にアーセナルからザンクトパウリに移籍、ようやく安住の地を見出したかに見えたが、2015年に左膝の靭帯を断裂、さらに昨年の6月にも今度は右膝前十字靭帯断裂、1年近くのリハビリを終えての復帰戦となった4/23の練習試合で、またまた靭帯損傷とトリプルの悲劇。まだ引退していないのが不思議なぐらいな悲劇のオンパレードで、何とも気の毒なコメントのしようがないシーズンであった。

 

イングランド・プレミアリーグ

吉田麻也 5.5

リーグ8位、EFLカップ準優勝という昨シーズンの結果からさらなる飛躍が期待された今期だったが、開幕から前線の極端な得点力不足に苦しみ、おかげで守備陣が耐えきれずに勝ち点を逃し続け、不動のレギュラーCBであるファン・ダイクの移籍志願でチームも集中しきれず、ゴタゴタの果てにリバプールへ移籍。代わりのDFリーダーとして期待された吉田も怪我のため後半戦は満足に出場できず。結果的に何とかプレミアリーグ残留を果たしたが、本人にとっては悔いが残るシーズンであった事は間違いない。一部のサポーターはともかくクラブからの評価は安定しているので、何とか来期に雪辱したいところ。

岡崎慎司 5

いきなり最初の2試合で連続ゴールと、これ以上無いスタートを切った今シーズンだったが、どうしても新監督はポゼッションを一度はしたがる誘惑から逃れられないようで、ピュエル監督もどんどんそちらの方向にサッカーがシフト、徐々に岡崎が活きるようなカウンタースタイルから遠ざかり、自身の出番も減ってしまったところで怪我。結局今年の2月以降は5試合に出場したのみのシーズン6ゴールと、こちらも不完全燃焼のシーズンだった。移籍が噂される中、代表でも序列が2番手以下になった「BIG3」は本大会で輝きを取り戻せるのだろうか。

 

フランス・リーグアン

酒井宏樹 7

マルセイユの今シーズンは、トヴァン、パイェのフランス代表クラスの攻撃陣が好調で、ずっとCL圏内をキープしていたのだが、後半戦はDF陣に怪我人が続出、結局昨年と同じ4位に終わってまたもヨーロッパリーグ行きとなってしまった。そんな中、酒井はルイス・ガルシア監督からの信頼がますます厚く、本来の右SBだけじゃなく左SBや3バックの右CBにまで起用され、その期待に十分応えるワールドクラスの守備能力を発揮した。反面、攻撃面での貢献はチームメイトのサールやアマヴィに比べて物足りないのは事実で、そこをいかに伸ばせるかが引き続きの課題である。

川島永嗣 5.5

昨シーズンはレギュラーに定着して残留に貢献したはずだったが、今期もスタートは何故かベンチから。案の定、開幕から3連敗で川島に出番が回ってくるものの、その後は出場したりしなかったりが続きチームも低迷したまま。12月になってやっとレギュラーに固定され、一時は3連勝を飾って残留の可能性が見えたものの、やはり川島の健闘むなしく守備が崩壊、最下位で2部へと降格してしまった。とは言え、川島に対するクラブやサポーターの評価は悪くなく、本人も残留を希望しているそうだが、それもチームの予算次第か。