「ロシアW杯と東京五輪の運命がかかった、森保式3バックに明るい未来は見えたのか」トゥーロン国際大会 グループC 日本-トルコ

東京五輪のノルマであるメダル獲得を目指す上で、国内組主体のメンバーがどれだけ世界に通用するかを占う機会になったトゥーロン国際大会。森保監督が現在はA代表に帯同しているため、大会はコーチの横内氏が監督代行として指揮を取っている。

カメラの位置が低いので分かりにくかったが、どうやらトルコは4-1-4-1で、日本は森保サッカー標準の3-4-2-1という形。

試合は日本がポゼッションして、初瀬と藤谷の両WBがサイドで数的優位に立てる事を利用して基点になり、そこから森島、三好のウイングが絡んで攻撃するのだが、最後の部分で相手の守備を剥がすことが出来ず、1トップの小川に対してなかなか良いアシストが入って来ない。

日本の選手は、縦を切られるとすぐに抜く事を諦めてしまい、横パスをしてからまた動いてボールをもらおうとする動きが多いのだが、PA付近でそれをやったところで相手の守備が動くはずもなく、結局人数が揃っているところに無理なクロスやワンツーを仕掛けてミスになるという、いかにも「自分たちのサッカー」的な歯がゆさがつきまとう。

前半16分に放った小川のシュートや、35分にふかしてしまったがフリーで飛び込んだ形でのシュートを見ても、そこから逆算して2つ前ぐらいからスピードに乗った攻撃が続いて生まれたものであり、パスを繋ぐ本数が増えれば増えるほど決定機から遠ざかるという問題点が浮き彫りになっている。

それでも日本は後半5分に、カウンターから森島が右サイドに飛び出した三好にパス、三好はカットインから狙いすましたシュートをファーサイドに決めて日本が先制点をゲットする。

日本は後半13分に井上に代えて杉岡を投入したが、これが結果的に裏目へと出てしまう。20分にバックパスをGK山口が杉岡に横パス、これを杉岡が大きく蹴り出そうとしたところをカットされ、最後はミュジャヒトに押し込まれて同点に。さらに杉岡は32分にバウンドしたボールを処理する時に腕に当ててしまい、これがPKの判定。しかしど真ん中に蹴ったキックはGK山口が足に当てて命拾い。

しかし日本は34分に杉岡と初瀬の連携が乱れたところを崩され、クロスは冨安が触ったもののこぼれ球をミュジャヒトがボレー、山口がバウンドしたシュートを処理しきれず後逸してしまってトルコが逆転。最後は日本も疲れて反撃が出来ず、試合はそのまま1-2で終了した。

前半のうちはラインを高くキープして中盤で相手の攻撃をカット、サイドから攻め立てるものの、マークを剥がせずゴール前の人数も足らずに決めきれず、後半に入って運動量が落ちると5バックが低い状態に押し込められて攻撃が作れず、自らのミスから逆転を許すという、いかにも森保3-4-2-1あるあるな試合で終わってしまった。杉岡が入る前の守備は安定していたが、こうやって点を取るんだという形は見えないままである。

明日の夜はA代表のガーナ戦で、明後日はトゥーロンのポルトガル戦だが、どちらも同じ森保式3バックになる可能性が高く、1対1で勝てるウインガー、ヘディングが強い1トップを持たない日本がどうやって点を取って行けるのか。その道筋が見られる事を期待・・・するだけ無駄かな(笑)。