「個人能力よりもチームとしての成熟度の差、それだけに酒井には体験して欲しかった」UEFAヨーロッパリーグ 決勝 マルセイユ-アトレティコ・マドリー

今朝の早朝、ちょうど5時ぐらいに目が覚めたので追っかけ再生でヨーロッパリーグの決勝を見ようかと思ったのだけど、酒井がベンチという事実を知ってそのまま二度寝、帰宅してから改めて試合を見てみた。

はなからアトレティコとの力量差があった上に、マルセイユのスタメンがロランドと酒井がベンチスタートでルイス・グスタヴォがCBに入り、ザンボアンギッサがボランチで先発と聞いた時には、これじゃマルセイユが負けたのは当然と思っていたのだが、前半はその先入観を覆す善戦というか、むしろ試合はマルセイユのペースだった。

フォーメーションはマルセイユが4-2-3-1で、アトレティコは4-4-2と正攻法のぶつかり合いだが、アトレティコはトヴァンを相当に警戒していて常に2~3人で囲む体勢を敷いていたので、オカンポスの左サイドは比較的スペースが空いており、そこを基点にした攻撃でマルセイユが序盤からペースを握る。

前半4分にマルセイユがカウンター、パイェからジェルマンにスルーパスが渡り、GKと1対1になった決定的なシュートは上に外れ、そしてセットプレイからこぼれ球をラミがシュートも右に外れる。もしマルセイユがここで先制点を決めていれば、結果は変わっていたかもしれない。

すると前半21分に、マルセイユGKマンダンダとザンボアンギッサとの息が合わず、ミスパスになったところを拾われ最後はグリーズマンが抜け目なくゴール。さらにマルセイユにとっての不幸は続き、前半31分にパイェが故障で交代。涙を見せながらベンチへ。これでほぼこの試合の結末は決まってしまったと言って良い。

後半になるとアトレティコがいきなりアクセルを踏み込んでボールを奪ってからの攻撃をスピードアップすると、後半4分にコケからスルーパスを受けたグリーズマンが、絶妙なトラップでドリブルに持ち込み、GKを冷静に交わす短いチップキックで2点目のゴールを決める。

マルセイユはここでオカンポスに代えてエンジエを投入するが、トヴァンがずっと消されている中で、それしかカードが無かったとは言え、前半は孤軍奮闘で基点になっていたオカンポスが居なくなった事でマルセイユの攻撃はさらに手詰まりになってしまう。

それでもマルセイユは集中マークに遭っているトヴァンが中に入り、空いたサイドのスペースをSBのサールやボランチの選手が流れて基点を作る事で打開を図るのだが、アトレティコも中をしっかり締めて決定機は作れず。

ようやく後半35分、マルセイユはサンソンのクロスを交代で入ったミトログルがヘディングで合わせるもシュートはゴールポスト、この試合で2度目の決定機をまた物にできず。その後も捨て身の攻撃を仕掛けるマルセイユだったが、逆に後半43分、カウンターから最後はガビが狙いすましたゴールをファーに決め3点目。

単なる個人能力だけで言えば予想ほどの差は無かったが、ここぞという場面での冷静な決定力、試合の流れを確実に読んで勝負どころを見定める経験、どれもディテールの部分ではあるけどもはっきりとマルセイユとの差を見せつけられた決勝戦だった。酒井が出ていれば、そういう僅差に見えても大きな差の真意を体験出来たはずなので極めて残念。何とか最終戦で来期チャンピオンズリーグの出場権を獲得して欲しいね。