「プレイ機会は少なかったが、1G1Aを含めて3点に絡んだ乾の効率性」リーガ・エスパニョーラ第36節 ジローナ-エイバル

リーグの6位に追いつくのは難しい状況だが、今期は7位までヨーロッパリーグの出場権が与えられる事になったため、まだ数字上は十分可能性がある8位のジローナと12位のエイバルとの対戦。

ホームのジローナは3-4-2-1、アウェイのエイバルは1トップがキケ・ガルシア、乾、オレジャーナ、ペドロ・レオンが2列目に並んだ4-2-3-1。

試合はエイバルの前線3人がジローナの3バックにプレスを仕掛け、ジローナの苦し紛れなパスを高い位置でカット、バイタルで基点を作ってまたサイドに展開という形でペースを握る。

すると前半9分、ジローナのセットプレイからのバックパスに乾が猛然とプレッシャーを仕掛けてイーブンボールにすると、ボールを拾ったダニ・ガルシアを含めた3人がフリーになり、最後はキケ・ガルシアがラストパスを決めてエイバルが先制する。

その後はジローナが前に出てボールを奪ってからの出足が早くなり、長めのボールを入れてからのセカンドボールを支配してチャンスを作る。すると27分に右サイドで基点を作り、そこからグラレルがパスを受けてゴール前に抜け出すもシュートはわずかに枠外でエイバルは冷や汗をかかさせる。

エイバルは30分にペドロ・レオンが怪我でアレホに交代、その直後に左サイドでパスを受けた乾がカットインからシュートも枠外。35分にコロンビア代表ヨハン・モヒカがフリーになってクロスをポルトゥが押し込むもヨハン・モヒカがオフサイドの判定でノーゴール。

苦しい時間帯が続いたエイバルだったが、前半38分に左CKからキケ・ガルシアが相手にマークを受けながら頭1つ抜け出し、ニアにヘディングを決め、エイバルが2点のリードを保って前半を終了する。

後半からジローナは3-1-4-2のような形にフォーメーションを変更、前半は機能していなかったビルドアップを諦めて早めにサイドへ展開、そこからシンプルに前線の2トップへボールを入れる事でペースを握ると、後半11分に右CKからサインプレーで飛び込んだアダイ・ベニテスがダイレクトで決めてジローナが1点差に迫る。

その後はエイバルもカウンターからオレジャーナの折返しを受けた乾がシュート、15分には左サイドでのパス交換から乾がPA内で足を引っ掛けられるもファールを取ってもらえず。

前半はジローナのボランチにしっかりエイバルのダブルボランチがプレスをかけていたのだが、後半20分ごろになると対応が遅くなってジローナに中盤でボールを繋がれるようになり、攻撃の選手を入れた4-3-3に変更した事でペースは完全にジローナに移ってしまう。

しかし乾のクレバーなプレイがエイバルを救う。後半35分に中盤で乾が上手くキープしてファールを誘うと、乾の早いリスタートからジョルダンにスルーパス、GKとの1対1をきっちり決めて乾のアシストでエイバルが大きな3点目をゲットする。

そして後半44分、縦パスがキケ・ガルシアに入り、サポートに入った乾がこぼれ球を拾ってニアにシュート、これがGKの手に当たってダメ押しの4点目。ジローナも最後はパワープレイを仕掛けるものの、そのまま試合は1-4で終了。これでエイバルは何とかヨーロッパリーグ出場権に望みは繋いだものの、ライバルも勝ち点を積み上げて厳しい状況には変わりなし。

乾はボールに触る回数自体はそれほど多くなかったが、攻守で積極的に動き回り、3得点に直結する大きな結果。誰かさんとは違って、たとえボールが来なくてもセルフィッシュなプレイに走らず、自分の役目をゾーンでしっかり果たしている選手はちゃんとご褒美がやって来るものだ。

ベティスへの移籍話が出てから干され気味になって、その間にエイバルは勝ち点を落としているだけに、乾としてもチームが使ってくれるからにはきっちり結果を出して、置き土産を残しておきたいところだね。