「日本代表候補選手の中で、ハリルホジッチの更迭を喜んで良いのは武藤だけ」ドイツ・ブンデスリーガ第32節 マインツ-ライプツィヒ

現在は降格圏内から逃れているものの、これからの対戦相手を考えれば全く楽観できないマインツは、ホームで強豪のライプツィヒとの対戦。マインツのフォーメーションは先発復帰した武藤が1トップの4-1-4-1で、ライプツィヒは中盤ダイアモンドの4-4-2。

ライプツィヒは攻撃時にはアンカーのデンメが降りて3バックの形になり、武藤のプレスを避けてビルドアップするのだが、マインツは中盤から先はガッチリマンマークのデュエルを仕掛けて攻撃の形を簡単には作らせない。

前半10分、自陣左サイドでのボールロストからルックマンがGKと1対1、最後はポールセンがシュートミス、その直後にもヴェルナーがまた1対1になってGKを交わしたが必死で味方がカバーして失点は逃れたが、マインツは安易なミスからアンカーの両脇にあるスペースを使われ、ピンチを連発してしまう。

しかしそこを何とか耐えると、前半28分にマインツは左サイドでボールを繋ぎ、武藤がPA内でパスを受けてヒールで抜け出そうとしたところでウパメカノに倒されPK。これをデブラシスがGKグラーチに当てながらも押し込んでマインツが先制する。

その後はライプツィヒが攻勢を強めるも、マインツは武藤とデブラシスの飛び出しを中心としたカウンターで対抗、37分には武藤がウパメカノのボールを奪って右サイドを突進、そこからのクロスもギリギリ味方に合わず追加点ならず。

そこから中盤にスペースが空いてオープンな展開になるが、ライプツィヒはナビ・ケイタがゴール前でフリーになるもシュートは枠に飛ばせずマインツが1点リードのままで前半が終了する。

後半も一進一退の攻防が続き、マインツは14分に武藤のポストからグバミンのシュート、その直後にも右からのクロスに武藤が飛び込むシーンを作るが、やはり徐々にライプツィヒがポゼッションを上げてジリジリとマインツのゴール前に攻め込んでチャンスを作る。

しかし後半30分過ぎからライプツィヒのほうが先に足が止まり、マインツは簡単にカウンターから相手ゴール前までボールを運べるようになり、後半40分にマインツが中盤でボールを奪うと、クロスの折返しを武藤が触って優しいボールを流し、シュート練習のような形からマキシムがきっちり決めてマインツが大きな追加点をゲット。

後半42分には武藤のラストパスからオニシウォがシュートもGKに当ててしまう。が、後半44分に20歳のバクがゴール前に抜け出しダメ押しの3点目を決め、試合はそのままマインツが3-0で勝利し、ブンデスリーガ残留をほぼ確実なものにした。

個人的に、ハリルホジッチが代表監督だった時に唯一疑問に思っていたのが武藤の冷遇で、1トップとしての能力を考えたら、確かにポストプレイの技術や高さこそ大迫には劣るものの、運動量、スピード、守備力では武藤のほうが上回っており、代表での序列では2番目に入ってもおかしくないだけの実力は見せていたように思う。

おそらくあまりにもクレバーであるがゆえに、監督の指示よりも試合の展開を読んで自分の考えを優先したプレイをしがちなのが、規律を重視する監督には我慢できないところなのかもしれない。逆に、まともな戦術論を持ってない(と言われる)西野監督にはピタリとハマる人材なのではないかと思うのだが。さて今度は正式メンバーに選出されるのだろうか。