「HSV奇跡の残留に向けて、伊藤達哉がキレキレの実質2アシスト」ドイツ・ブンデスリーガ第32節 ヴォルフスブルク-ハンブルガーSV

ドイツ・ブンデスリーガも残り3節。完全に後がないHSVは、プレーオフ圏の16位にいるヴォルフスブルクとの直接対決。

HSVのフォーメーションはウッドの1トップに伊藤、ハント、ホルトビー、コスティッチが2列目の4-1-4-1、対するヴォルフスブルクは4-2-3-1という形のマッチアップ。

この試合に負けると降格が決まってしまうHSVは、序盤から酒井が高い位置に上がって前からプレッシャーをかけまくるが、完全にマンマークでのカチ合わせになっていて激しいデュエルの応酬になる。

前半12分、フェルハーブの右からのクロスにシュテフェンがどフリーで合わせたがバーの上、23分にはカウンターからパズールがやはりフリーでシュートも決まらずHSVは命拾い。

どちらも激しくプレスを掛け合って、ボールを奪ったら兎にも角にも素早く前にボールを運ぶという意識が強すぎて、サイドに張っている伊藤までボールが届かず、仕方なく中盤まで下がってボールを触るだけの展開。酒井は相変わらず上がってはスペースを使われ、クリアがミスキックになったりといつものマッチポンププレイだが、とにかく走り回っている(笑)。

伊藤がようやくチャンスに顔を出したのは前半25分、PA内でボールを受けてのシュートはカットされ、30分には伊藤が右サイドでボールを受け、突破しようとして倒されファールを受ける。

そしてスコアが動いたのは前半41分。PA右寄り、やや外側でパスを受けた伊藤がドリブルで侵入、ギラヴォギが足を出したところに突っかけたプレイをファールと判断されてPK、これをウッドがGKの逆を突いてHSVが先制する。

そこからは相手のSBが反撃のために前へ出て来たのだが、そのスペースを使って伊藤は無双しまくり、スルーパスにファールゲット、とどめはロスタイムには右足のクロスからホルトビーが頭でそらしたゴールのアシストを決めてしまう。

後半は、2点差を追うヴォルフスブルクが盛り返してイーブンな展開になり、21分にカウンターからヴォルフスブルクのアルノルトにフリーでシュートを打たれるも幸いに枠外。逆に後半26分、HSVは流れるようなカウンターから最後はコスティッチがダイレクトボレーを放つがGKのファインセーブに阻まれる。

後半33分、酒井が上がったスペースを使われてのファールから得たFK、キックのコースはやや甘かったが、パパドプーロスとGKポラースベックとの呼吸が合わず、そのままボールはゴールに吸い込まれてしまいヴォルフスブルクが1点差に迫る。

その後はヴォルフスブルクが勢いに乗って、HSVはアップアップになって酒井もPKを誘うシミュレーションを相手にかけられるが幸い審判は騙されず。そして後半39分に伊藤は交代、HSVは守りを固めて逃げ切り体制に。

HSVは後半43分、伊藤に代わって入ったジャッタ、コスティッチと連続してカウンターのチャンスに決められず、ロスタイムもジャッタがクロスにフリーで合わせるもやはり決められず。しかし直後に右サイドから切れ込んだヴァルトシュミットが相手に倒されPK、コスティッチのPKはGKに阻まれ、こぼれ球もコスティッチはヴォルフスブルクの選手と交錯してボールに触れず、しかし後ろから飛び込んだヴァルトシュミットが押し込みダメ押しの3点目、そして試合終了。

裏の試合で、ケルンがフライブルクに負けて降格が決まり、マインツがライプツィヒに勝ってしまったため、これで残留争いは完全にHSVとヴォルフスブルクの2チームに絞られた。残り2試合で両チームの勝ち点差は2。HSVはフランクフルト、ヴォルフスブルクがケルンとどちらも日本人選手が所属しているチームとの対戦を残しているのが面白いところだが、果たしてどちらに神様が微笑むのだろうか。