「”ハリルホジッチ・スタイル”のローマ、3点差をひっくり返す奇跡の逆転勝利」UEFAチャンピオンズリーグ準々決勝 第2レグ ローマ-バルセロナ

昨日は、日本代表”新監督”に就任した西野明氏による記者会見があったようですが、とりあえずTwitterのTLで見た限りでは、下の意味でだいたい合っているようなのでまあいいかなと。

「オールジャパン」というか、「仲良しジャパン」について考える時間も労力ももったいないので、昨日はさっさとローマが大逆転で勝ち抜けたバルサとの試合を観戦。

両チームのフォーメーションはローマがチェコ代表のシックとジェコを2トップに並べた攻撃的な3-1-4-2、バルサはメッシとスアレスを2トップに並べた4-4-2で、バルサはまずゾーンを作ってローマの攻撃を受け止める狙いが見える。

試合は序盤から互いに攻め合う積極的な展開で、バルサは試合開始5分間の間にメッシとスアレスがチャンスを演出したが、ともに得点を決められず。もバルサに先制点が入っていたらローマの気持ちは早々に切れていただろうが、ここが運命の分かれ道だった。

前半6分、デ・ロッシからのロングパスにジェコが抜け出し、ワンチャンスでローマが先制ゴールを決めると、勢いに乗ったローマはハイプレスを仕掛け、ジョルディ・アルバの裏を執拗に狙って基点を作るが、前半29分にそのスペースからのクロスにシックが合わせたがヘディングは惜しくも枠を外れる。

バルサはスアレス、メッシの2トップに動きが無くて前線が完全な蓋になってしまい、前がかりになったローマの裏をなかなか突くことが出来ない。バルサもメッシが前半の間に2度ゴール前でFKを蹴る場面を得たのだが、スタジオオリンピコの広さに目測が上手く行かなかったのか、どちらもバーを越えてしまうメッシらしくないキックでチャンスをモノに出来ず。

すると、後半13分にまた1本のロングパスからジェコが抜け出し、PA内でボールを足元に収めてシュート体勢に持っていこうとしたところで、ピケが腕を引っ張りながら後ろから回し蹴りを決めてしまい当然のPK。これをデ・ロッシがバルサGKテア・シュテーゲンの手を弾くキックで決めてローマが2点目。

その後もローマは徹底的にバルサDFライン裏へのパスを送り続け、バルサは何とかジェコとシックにマンマークしてギリギリ跳ね返すだけで、セカンドボールも支配されて全くシュートまで持って行けない。ようやく後半28分にメッシがシュートを放つもGK正面。

後半30分を過ぎると、ようやくローマのプレッシングの勢いが落ち始めてバルサがボールを支配するようになるが、ローマは逆にカウンターからフロレンツィがクロス、途中出場のエルシャーラウィがファーサイドで合わせたシュートはテア・シュテーゲンが何とかセーブ。

そして後半37分、右CKからマノラスがニアで合わせたヘディングがファーサイドに決まってローマが3点目。これでアグリゲートスコアでビハインドを負ったバルサはピケがゴール前に上がってた3-4-3の形でスクランブル、メッシも突然スイッチが入ったかのように走り回って攻撃に絡むが時すでに遅し。ロスタイムにローマGKが前に出たところをデンベレがロングシュートを打つもゴールマウスに入らず、結局3-0で試合終了。ローマは第1戦での1-4をひっくり返す奇跡の逆転勝利を飾った。

バルサは枠内シュート2本で無得点、かろうじて攻撃らしい攻撃が出来たのは序盤の5分と後半の15分というまさに完敗。スアレスとメッシは明らかに疲れており、前線でボールを引き出すことも基点になる事も出来なかった。下手に第1戦で大勝していただけに、メンタル的にコントロールが難しかったのかもしれないが、それは言い訳にはならないよね。

そしてしてやったりのローマ。日本にはジェコがいないけど、技術のある相手に対して圧倒的なプレッシングと徹底的なDFラインの裏狙いというプランは、まさにコロンビア相手にハリルホジッチが目指していた形ではないだろうか。残念ながら、それを見届ける機会は永久に失われてしまったけどね・・・