「時計のように正確なレアルのパスワーク、最後はエースがユベントスの心をへし折るスーパーゴール」UEFAチャンピオンズリーグ 準々決勝第1レグ ユベントス-レアル・マドリー

いよいよベスト8の戦いがスタートしたUEFAチャンピオンズリーグ。3連覇を狙うレアル・マドリーはセリエAで圧倒的な強さを見せているユベントスのホームへと乗り込んでの試合になったが、圧倒的な強さでユーベを一蹴、今期も優勝の大本命であることを見せつけた。

レアルは4-4-2でベンゼマとクリスティアーノ・ロナウドの2トップに、2列目がイスコ、クロース、カゼミーロ、モドリッチという並び。対するユベントスは、イグアインが1トップでディバラがセカンドトップの4-4-1-1。

試合開始からボールをきっちり回すレアルは、前半3分に早速左サイドのイスコがフリーでクロス、ベンゼマをおとりにニアに動いたクリロナが合わせたシュートがファーサイドギリギリに決まり、さしものブッフォンも届かずレアル先制。

ユーベも当然すぐさま反撃、ディバラが一瞬抜け出したシュートにはセルヒオ・ラモスがスライディング、ベンタンクールがフリーになった場面はシュートまで行けず、前半22分にはFKからゴール正面でイグアインが合わせたシュートはレアルGKケイラー・ナバスが素晴らしい反応で防いでしまう。

その後はレアルが圧倒的にポゼッション、低い位置で4-4ゾーンを組んだユーベがカウンターを狙うという形が続き、ユーベはディバラがドリブルで突っ込んでFKをゲットしたり、逆にシミュレーションを取られたりと、数的不利ながらも孤軍奮闘をするが同点弾ば奪えず後半へ。

後半は逆にレアルがゾーンを低めに敷いてユーベがボールを支配する流れ。そして5分にはディバラのファールゲットからゴール正面でFKゲットも、ボールは壁に当たってギリギリ枠を外れるなど、この試合のユーベはとことんツキに見放されていた。

そして後半19分、ユーベのビルドアップがミスになってレアルが高い位置でボールを奪うと、最後はカルバハルのクロスからクリロナが90度の角度で合わせる難度の高いバイシクルシュートを決めてしまう。ホームのユーベサポーターも拍手を送ったこのスーパーゴールで心が折れたのか、その直後にディバラが2枚目のイエローで退場。

レアルは後半27分にもマルセロがクリロナとのワンツーから押し込み3点目を決めて完全なダメ押し。その後はレアルがアセンシオ、ルーカス・バスケスを入れる余裕の采配。終盤は両チームともにクリロナ、イグアインといった決定機はあったが追加点は生まれず、そのまま0-3で試合終了。一応は第2戦での勝負が残っているが、3点差でアウェイのサンチャゴ・ベルナベウ、ディバラが出場停止とユベントスは完全に絶体絶命となってしまった。

クリロナのプスカシュ賞確実モノの芸術的バイシクルが話題を集めているが、それよりも左SHのイスコがパス成功率100%を記録したように、レアルのパスワークの正確性でユベントスはほとんど高い位置でボールが奪えなかった事が、試合を決めたポイントである事は間違いない。しかしレアルでは”下手な部類”とされているカゼミーロやヴァランでさえ、スパスパとダイレクトで繋いでくるのだから、日本と比べちゃいかんと思うがため息しか出ない。

このクラスのクラブに1人も日本人の在籍選手がおらず、ACLではリーグ上位の川崎、柏があっさりグループリーグで敗退している現状を見ると、ハリルホジッチにW杯で決勝トーナメントに行けなければ失敗と烙印を押されてしまうのは気の毒に思ってしまうよな、とこちらの心も折れてしまいよなレアルの強さであった(苦笑)。