「プレーオフ初戦の日本人対決は、どちらにとっても少しほろ苦い試合に」ベルギー・ジュピラー・プロリーグ プレーオフ1 第1節 アンデルレヒト-ゲント

ベルギー1部リーグもレギュラーシーズンが終了し、これからは上位6チームの総当たり戦10試合によって、優勝と欧州カップ戦の出場権が争われる「プレーオフ1」がスタート。初戦の3位アンデルレヒトと4位ゲントの日本人対決は、両チームともに4-2-3-1のフォーメーションで、アンデルレヒトは森岡がトップ下だが、ゲントは久保ではなくてデヤーゲレが入った形。

序盤はアウェイのゲントがペースを握る。アンデルレヒトは前線のテオドルチュクと森岡にパスが入らず、逆にゲントはボールを奪ったら素早いサイドアタックで攻め込み、クロスからデヤーゲレが合わせる決定機があったがシュートは枠を捉えられず。

しかしアンデルレヒトもオフサイドにはなったが森岡のスルーパスでリズムを作ると、ゲルケンスらが連続で枠内シュートを放って対抗する。ゲントもすぐさま森岡らに入る縦パスに対してマークを強め、両ウイングのナイジェリア人選手の強引な突破からデヤーゲレが連続シュートと、目まぐるしく攻防が変わる。

前半36分には森岡が上手いトラップから前を向き、ドリブルからシュートするも相手に当たる。そこからまたアンデルレヒトが盛り返し、ロスタイムにもアンデルレヒトが攻め込むが得点は奪えず前半を終了する。

しかし後半開始早々、前半も散々やられていた右ウイング、カルのドリブル突破からクロス、ファーに流れてからのシュートはDFに当たったが、こぼれ球がデヤーゲレの前に転がり今度はきっちり決めてゲントが先制点を奪う。

後半12分、右からのパスに森岡がオフサイドギリギリに抜け出し、GKと1対1になってコースを狙って冷静にシュートを流し込んだのだが、これがまさかのポストで跳ね返りもテオドルチュクが押し込めず。15分にもCKからゲルケンスがヘッドで流すもわずかに外。

ゲントはまたまた後半25分にシモンが突破、中でジャンガが繋いでカルは押し込むだけだったが外してしまう。
31分には森岡が単独でドリブル、股抜きシュートを放つもゲントGKカリニッチにセーブされる。そして34分に久保がトップ下に入り、決定機に繋がるチャンスを演出する。37分には久保が森岡を倒してイエロー。

そして後半39分、ワンツーで抜け出したベルストラーテをスパイッチが完全に足を刈ってしまってPK。久保のキックはGKに阻まれたが、冷静にこぼれ球を押し込み二ヶ月ぶりのシーズン8点目となるダメ押しゴール。

42分には左からのクロスに久保がニアで合わせて枠に飛ぶが、GKはパンチングで上に弾く。ロスタイムにはクロスにまた森岡がニアで流してガンブーラの前に飛ぶがシュートは決まらず、試合はそのまま0-2で試合終了。これでゲントがアンデルレヒトと同勝ち点ながら得失点差で上回り3位に浮上した。

アンデルレヒトは森岡のシュートが入っていたらと思いたいが、それ以前にあれだけサイドでやられ過ぎたらどうしようもない。ボランチのレギュラーであるトレベルが前節のレッドカードで欠場し、組み立て能力が不足したのも響いた格好。

そしてゲントはウイングが強力な分、トップ下はバランスを取ってボランチもやれるデヤーゲレが久保よりも優先されている様子。序列をひっくり返すにはやはり得点しか無く、危なかったがPKを決めた事がアピールになれば良いのだが。