「これで酒井は、ティキタカサッカーのチームに移籍しても大丈夫?」UEFAヨーロッパリーグ ベスト16第2レグ アスレティック・ビルバオ-マルセイユ

マルセイユでの第1戦を3-1と有利な立場で折返し、ビルバオホームでの第2戦に乗り込んだマルセイユ。スタメンは1トップにミトログルが入った以外は、2列目がオカンポス、パイェ、トヴァン、SBが左はアマヴィ、右が酒井とほぼベストメンバーの4-2-3-1で臨んだ。対するビルバオも同じ4-2-3-1というマッチアップ。

試合の序盤は意外にもマルセイユがラインを高く上げ、酒井もトヴァンとのコンビで何度もオーバーラップを見せて出鼻を挫く作戦に出たが、前半10分過ぎからトータルスコアで2点のビハインドを負ったビルバオがアクセルを踏み込み始める。

マルセイユのハイラインに対してウイングがワイドに張ってロングボールに走り、ラインを下げたところでそのままマルセイユのSHとSB、ボランチにマンマークを付けて前にボールを運ばせず、同時に自陣のラインも上げてセカンドボールを拾い、またサイド攻撃を執拗に仕掛けて来る。

しかしマルセイユも急激なペースチェンジに上手く対応、ボールを繋げないながらも粘り強く守り、酒井も相手のプレスに慌てずトライアングルを作りながらワンタッチで味方にパスを渡し、大きなミス無く落ち着いて安全第一のプレイを見せる。

前半30分ぐらいからようやくビルバオの勢いが落ち始め、マルセイユが中盤でボールを持てるようになると、36分にルイス・グスタヴォのヒールを受けたパイェがドリブルで中央突破、最後はミトログルとのワンツーでPA内に侵入したところで、ビルバオの左SBレクエに倒されPK。これを冷静にGKエレリンの逆を取ったキックでパイェ自身が決め、アウェイのマルセイユが先制する。

当然、そこからは3点が必要になったビルバオが必死の逆襲、マルセイユはブロックを作って守備を固めるものの、酒井のサイドはトヴァンがDFラインまで下がって来ないので、どうしても相手SBのオーバーラップに対応しきれず、アマヴィのサイドから崩されては中央に寄っている酒井が数的不利な状態でクロスの対応にアタフタする場面が連続、後半4分にはそのクロスからコルドバにフリーでシュートを撃たれるが、上手く当たらず命拾い。

すると後半6分、左サイドに張ってパスを受けた好調オカンポスが、鋭いカットインからゴールのファーサイドに狙いすましたグラウンダーのシュートを決め、ビルバオとは逆に少ないチャンスをしっかりモノにしてトータルスコアで5-1とし、得点直後にルイス・グスタヴォを下げてザンボを入れる余裕の采配。

ビルバオは後半29分に、やはり右からのクロスにラミが頭で触ったボールがアドゥリスに当たり、こぼれ球をウィリアムスが押し込んで1点を返すが、その2分後にアドゥリスがオカンポスのドリブルを後ろからタックルで倒してしまい2枚目のイエローで退場、これで完全に試合は決まってしまった。ロスタイムには酒井が珍しくミドルシュートを放つも左にそれ、試合はそのまま2-1で終了。

昨晩の抽選会で、マルセイユの準々決勝はブンデスリーガのライプツィヒとの対戦に決まった。他の6チームを見ても、厳しいと思うのはアトレティコ・マドリーぐらいで、あとはマルセイユでも十分互角に戦えるチームばかりだ。ここはフェイエノールトの小野伸二以来となる、UEFAカップ優勝を是非とも酒井には果たして欲しいところだね。