「しばらく右に戻ったせいで、左SBの能力が初期化されてしまった酒井」フランス・リーグアン第29節 トゥールーズ-マルセイユ

マルセイユは相手が残留争いのトゥールーズというのもあるのか、前節の試合でエースのトヴァンが負傷し、重症ではなかったが大事を取って欠場、パイェもターンオーバーでベンチと、クリエイティブな選手を2枚代えて臨んだ試合だったが、結果的にそれが響いて非常に苦労する展開になってしまった。

いつもどおり4-2-3-1のマルセイユは1トップがジェルマン、2列目がオカンポス、サンソン、マキシム・ロペスという並びで、ボランチがザンボとルイス・グスタヴォ、酒井はサールとペアで久々の左SBとして出場。対するトゥールーズは4-1-4-1というフォーメーション。

試合はいきなり前半10分に、右サイドのFKからルイス・グスタヴォが頭で流したボールにオカンポスが抜け出し、マルセイユが幸先よく先制点をゲットすると、その後もマルセイユはトゥールーズのアンカーの脇に出来るスペースを使ってワンツーなどであっさりサイドを抜け出し、ジェルマンのシュートやルイス・グスタヴォのヘディングなど決定機を作ったが決められない。

その後はトゥールーズが守備を修正、サイドのマークをはっきりさせた事でマルセイユの攻撃が停滞。酒井も積極的に攻撃参加するのだが、右でしかボールを扱えないので縦を切られるとパスで戻さざるを得ず、非常にギクシャクした形になってクロスがほとんど上げられない。そして19分にクロスの対応で酒井がムベレを見失ってしまい、慌ててマークに行くも間に合わず同点。

逆にホームのトゥールーズが徐々に勢いを見せ始め、前半33分にセットプレイからのシュートがゴールポストに当たる惜しい場面を作ると、後半16分には酒井がマークしたがサイドをゴリゴリとドリブルで突破され、最後はマルセイユGKがマンダンダが何とか足1本でセーブ。18分にもサイドを崩され連続でシュートを浴びるもマンダンダが必死のセーブと、マルセイユはアップアップの状態に。

マルセイユは早めにアマヴィと投入し、酒井を右SBに戻して事態の収拾を図り、後半27分にはさらに温存していたパイェを投入、ようやく後半30分ごろから試合が落ち着いてマルセイユがボールを持てるようになり、クロスからフリーでヘディングする決定機もトゥールーズGKラフォンのスーパーセーブに阻まれてしまう。

しかしこの苦境を救ったのが、怪我から復帰したミトログルだった。後半33分に酒井の縦パスをパイェがスルー、裏にいたミトログルが叩いたボールにパイェが追いつき、ダイレクトのクロスにミトログルがボレーを合わせ、とうとうマルセイユが逆転に成功。ロスタイムにはクロスバーとゴールポストに連続で当たる決定機を作るもマルセイユは追加点ならず、しかしそのまま試合は1-2で終了、マルセイユはチャンピオンズリーグ出場権に向けて貴重な勝ち点3をゲットした。

試合に勝ったとはいえ、酒井は失点にも絡んだし、せっかく左で良い感じになっていたのがしばらく右に戻った事で能力が初期化されてしまい(笑)、左にポジションを取っていた時は良い出来とは言えなかった。今はSBの序列的にはサールより高いので試合には出られるだろうが、少し反省してしっかりまた左も練習して欲しいところだ。