「ミシャサッカーに対する対策前と対策後」J1第3節 コンサドーレ札幌-清水エスパルス

今まではカウンターがメインの弱者サッカーを貫いてきたコンサドーレ札幌が、全く正反対のサッカーを志向するペトロヴィッチ監督を招聘したと聞いて興味を持っていたのだが、ちょうど土曜日にBS1で試合をやっていたので、その録画を見てみた。

札幌のフォーメーションは当然ながらミシャサッカーの定番である3-4-3。そして昨シーズンは広島を率いていたヨンソン監督が就任した清水は4-4-2というミスマッチな布陣となった。

試合の前半は札幌のペース。清水の4-4ゾーンの外側にWBを張らせてサイドチェンジを通し、そこを基点にして三好のドリブルとパスセンスにジェイの高さ、チャナティップの豊富な運動量でチャンスを作る。特にクロスを入れる時はボールを動かしてからダイレクトという方針が徹底され、相手の守備が整う前に攻める意思が感じられる。

清水の守備は札幌のワイドな攻撃の後手を踏む展開になり、前半の16分には兵藤からの長いパスを受けた駒井が素早いタイミングでクロスを入れ、これをジェイが高い打点のヘッドを決めて札幌が先制点をゲットする。が、清水も26分に金子のクロスをクリスランが足元に収めると、そこからスクリーンをしながらのターンで同点シュートを決める。

しかし札幌のペースは変わらず、前半38分にはチャナティップの飛び出しに三好から浮き球のパスが通り、そこからのクロスに菅が完全なフリーになったがシュートを当て損ねて得点ならず。結果的に、この超決定機を決められなかった事が響いてしまった。

そして後半が始まってすぐの3分、清水は左サイドで松原がマークに来た進藤の股を抜くグラウンダーのクロスを出すと、ニアに入った金子がゴールへ流し込み清水が一瞬のスキを突いて逆転に成功する。

さらにハーフタイムで清水はミシャサッカーのワイド攻撃に対策を施し、左右のSHが早いタイミングでサイドへマークを市に行くようになると、途端に札幌の攻撃が沈滞してしまい、ミシャはあまり選手をターンオーバーしない影響で各選手の運動量が落ち、前半に見られたようなダイナミズムが失われてしまう。

さらに後半21分には、ミッチェルデュークのクロスから札幌ゴール前での混戦になり、PA内で金子、クリスランとつないで最後はこぼれ球を河井が豪快にミドルを決め、清水がダメ押しの3点目をゲットする。

札幌のミシャ監督は、そこから三好をボランチに下げて荒野、都倉と次々に選手を投入するも戦況は変えられず、最後はまた三好やチャナティップが攻撃に絡む場面が増えたものの時すでに遅し。試合はそのまま1-3でアウェイの清水が勝利した。

前半はジェイ、三好、チャナティップの3トップはクォリティが高く、これはJ1で台風の目になるかもしれないと一瞬思ったのだが、後半に清水がきっちり対策すると、それに対するセカンドプランが無くて後は疲労と守備戦術の欠如が響いてズルズルと失点。やっぱりミシャが浦和時代から変わってませんでしたとさ(笑)。