「ネイマールの怪我であっさりパリ陥落、キーマン不在をカバーするのは守備陣の役割」UEFAチャンピオンズリーグ ベスト16第2レグ パリ・サンジェルマン-レアル・マドリー

サンチャゴ・ベルナベウでの第1戦を3-1とレアル・マドリーリードで折り返した、PSGのホーム、スタッド・ド・フランスでの第2戦。PSGはエースのネイマールが怪我で欠場し、3トップはカバーニとムバッペ、ディ・マリアという並びになった4-3-3。対するレアルは、クロースとモドリッチが怪我の影響でベンチ、2列目にアセンシオ、カゼミーロ、コヴァチッチ、ルーカス・バスケスが並んだ中盤フラットの4-4-2で臨んだ。

試合は、2点をリードしているアウェイのレアルが4-4のゾーンを作って待ち構える形で始まるが、PSGはラビオ、ヴェッラッティ、チアゴ・モッタの中盤3人が上手くトライアングルを作って最初のラインをくぐり抜け、そこからムバッペとディ・マリアに素早くボールを入れて個人技で攻め込む形でリズムを作る。

が、ネイマールの代役として入ったディ・マリアと他の選手とのコンビネーションが合わず、サポートでムバッペがポジションを下げて対応するようになったためカバーニが孤立、さらにレアルもベンゼマがプレスバックしてPSGの中盤をケアするようになったため、徐々にレアルのほうがポゼッションで盛り返し、それまで大人しかったマルセロが攻撃に絡み始める。

しかし決定機は前半17分にCKからセルヒオ・ラモスがPA内で合わせたシュートと、42分前後にマルセロからのロングスルーパスにベンゼマが抜け出し、シュートはレアルGKナバスの足に当たって枠を外れた場面、その直後にPSGが同じような形でダニ・アウヴェスのパスから抜け出してGKに当ててしまったシュートぐらいで、緊迫した流れのまま後半へともつれ込む。

後半からは2点が欲しいPSGが、序盤からサイドを高く上げてレアルの守備を囲むように攻め立てるが、そういう時に落とし穴が待っているもので、後半6分にダニ・アウヴェスのポスをカットしたアセンシオがドリブルで持ち込み、一旦引いてからインナーラップしたルーカス・バスケスにパス、クロスをファーに飛び込んだクリスティアーノ・ロナウドが頭1つ飛び出した高い打点のヘットを叩きつけ、レアルがトータルスコアで3点にリードを広げる。

これで焦りが出てしまったPSGは、後半21分にタックルを受けたヴェッラッティが審判の判定に異議を唱え、2枚目のイエローで退場と自ら墓穴を放ってしまい、これで試合は完全に決まってしまった。その後はPSGも一応は捨て身の反撃をするも、カバーニが何とかあったシュートチャンスを決められず、逆に後半35分に途中出場のパストーレがボールを奪われ、ラビオの中途半端なクリアを拾ったカゼミーロがダメ押し点。そして試合はそのまま1-2で終了、PSGは去年に続きベスト16での敗退になってしまった。

さすがにチームの攻撃面で非常に多くのキーポイントを握っていたネイマールが居なくなり、それをディ・マリアでカバーして2点差をひっくり返すのは、さすがに監督の手腕だけではどうにもならない部分はある。これでエメリ監督はさらに解任へのプレッシャーが高まるだろうが、攻撃陣に比べると見劣りする守備陣にもクラブが補強しないことには、たとえグアルディオラを持って来てもCLで優勝するのは難しいのではないだろうか。