「セレッソが強いというよりは、サッカーの質的な違いによる時間差の結果」ゼロックス・スーパーカップ2018 川崎フロンターレ-セレッソ大阪

最近はスカパーがしょぼいのもあって、HDRで録画予約をするという習慣が無くなり、おかげで地上波のみの放送であるゼロックス・スーパーカップの録画をすっかり忘れてしまい、慌てて出先でスマホのリモコン機能を使って後半だけは何とか試合を見ることが出来た。

結果は3-2でセレッソがルヴァンカップに続いて川崎を破ったわけだが、確かに内容自体は点差以上にセレッソが強かったのは事実ではあるものの、両チームのサッカースタイルの違いが、現時点における完成度の差に繋がったのではないかと思っている。

セレッソのサッカーは、あくまでゾーン・ディフェンスがベースで、昨年のメンバーと戦術を継続しながら、さらに今期は各ゾーンの選手が早く厳しく相手にプレスをかけ、高い位置でボールを奪い、そこからスピードを落とさず攻め切る狙いがはっきり見られる。

後半3分にセレッソが奪った2点目も、ロングボールを杉本が競り勝ってから、セレッソの選手が一気にスピードアップ、清武の勢いに慌てて田坂が足を出したがそのまま振り切られ、そのままゴールを決められてしまった。こういう一気呵成のスピード感は、間違いなくJリーグよりもACLを意識したものだと言える。

逆に川崎は、鬼木監督になって守備は整備されたとは言え、あくまでベースは選手間のコンビネーションを中心に構築していく「風間スタイル」であり、選手のコンディション、試合感が整ってこないと全体のレベルも上がって来ない。後半は大島が入ってリズムを作っていたが、ダイジェストを見た限りでは中村憲剛の調子が上がっておらず、前半は中盤でノッキングを起こして前線にボールを運べていなかった。

そして守備でも試合感の欠如が明らかに見られ、相手へ寄せるスピード、当たりの厳しさでセレッソに完敗。特に後半33分にヤン・ドンヒョンのスルーパスから高木が3点目を決めた場面で、あっさりポストプレイからヤン・ドンヒョンに前を向かれた対応は、これからACLを戦う上では絶対にやってはいけない淡白過ぎる対応だった。

ただ、川崎としては今期から復帰した大久保がトップ下で攻撃の基点として機能した事と、右SBで途中出場したルーキーの守田が落ち着いたプレイを見せ、特にビルドアップで良いパスを通していた事は、川崎のサッカーにとっては大きな力になってくれる事だろう。

とにかくどちらもミッドウィークにはACLがスタートする。相変わらず日テレの有料CS独占囲い込みのおかげでACLは見られないが(糞)、この試合をしっかり振り返って良い準備をしてもらい、グループリーグのスタートダッシュを決めてもらいたいところである。