「長谷部が試合を整えるまでもなく、勝手に自壊してしまった武藤不在のマインツ」DFBポカール 準々決勝 フランクフルト-マインツ

残念ながら武藤は腰と背中の怪我で欠場していたが、昨日はDFBポカールの準々決勝、ライン・マイン・ダービーの組み合わせになったフランクフルトとマインツの試合を観戦。

マインツはここまで勝ち残っているとは言え、リーグでは16位で残留争いの真っ最中とあって余裕が無く、前節の試合から選手を8人入れ替えて来た。それに対してリーグでは6位と好調、昨年はドルトムントに敗れて準優勝に終わったのもあってか、先発は4人だけ替えたフランクフルト。試合は、まさにそのチームの意気込みがもろに結果へ反映された格好になった。

フランクフルトのフォーメーションは3-4-3で長谷部はいつものリベロで出場、対するマインツは4-2-3-1の形。フランクフルトはボールを奪うと素早くウイングやWBにサイドチェンジを送り、サイドの高い位置で基点を作り、1トップに入ったハラーの体の強さを活かす狙いが見えるのに対し、マインツは寄せ集めの選手で攻撃の形が無く、ボールを奪ったらとにかく前に早く送ろうとするのだが、長谷部を中心としたフランクフルト守備陣はそれをしっかり読んでボールを摘み取っていく。

すると前半17分、マインツはバックパスを受けたGKアドラーがボールの処理にもたつき、レビッチのショルダータックルでボールを奪われると、ヴォルフのパスを受けたレビッチが自身で押し込みフランクフルトが相手のミスでラッキーな先制点をゲットする。

後半になると、フランクフルトがややプレスを弱めてゾーンを固める守備に変更したのもあって、マインツは中盤で細かくパスを繋ぎ、ブロジンスキの強引なサイド突破などでチャンスを作るなどペースを握ったかと思ったのだが、後半8分に左サイドに流れたハラーのクロスに対し、マインツDFハックが足を出して当てたボールが、GKアドラーがクロスに反応して動いた逆を突いてしまいゴールイン。

さらに後半16分、相手のバックパスを受けようとしたハックが中途半端にトラップ、そこをフランクフルトのマスカレルがサクッとカット、そのままGKとの1対1を冷静に流し込み、フランクフルトが全部相手のミスから3点目。その後はマインツも反撃の意欲を失ったのか、後半30分ぐらいからマインツの運動量が落ちてフランクフルトが試合をコントロール。審判も90分を待たずに試合終了のホイッスルを鳴らし、フランクフルトがベスト4に進出した。

マインツにしてみたら負けてもともとの試合だったかもしれないが、全部ミスで3-0の敗戦というのはチームの士気に影響しそうな感じである。そこを武藤の力で再びチームのムードを盛り上げて欲しいところだが・・・逆にフランクフルトは前節でアウグスブルクに0-3と大敗した鬱憤を晴らす勝利。これが良い切り替えになってくれる事を願いたい。