「いきなりデビュー戦で2ゴールのバチュアイは、ドルトムントの救世主になれるのか?」ドイツ・ブンデスリーガ第21節 ケルン-ボルシア・ドルトムント

昨日からの連日観戦になってしまうけど、オーバメヤンとの交換になった形でドルトムントに加入したバチュアイが早速先発で出場し、ケルン相手に2ゴールを決めて勝利したというニュースを聞いて、これは試合を見ないわけには行かなかったね。

大迫が風邪で欠場したケルンは、今節はテロッデとギラシの2トップが並ぶ4-4-2、対するドルトムントは1トップがそのバチュアイで、ウイングがシュールレとプリシッチ、中盤がダフード、香川、ヴァイグルの4-3-3。

で、ドルトムントの何かが大きく変わったかというとそうではなく、前半12分にはいきなりサイドを破られてヨイッチに決定的なシュートを打たれるも、ドルトムントGKビュルキが何とか防ぐシーンを作られたように、相変わらずアンカーの横のスペースを使われ、SBの裏へ通される欠点は残ったまま。

ただ、大迫を欠いたケルンの攻撃にはさほど怖さがなく、その後はドルトムントが試合をコントロール。アンカーの位置ではヴァイグルがどっしりと構え、香川と並んでインサイドハーフに入ったダフードはキープ力があってボールをしっかり捌けるので、この3人が今のドルトムントでは一番中盤に安定感があるように思う。

それまで何度かチャンスはあったが決められなかったドルトムントは、前半35分に香川の展開からトルヤンがドリブルで左サイドをえぐり、中に居たバチュアイがきっちり合わせてようやく先制点をゲットする。さらに43分にも香川のワンタッチパスから最後はバチュアイがネットを揺らすもこれはオフサイドの判定。

ただ、どうしても最後まで守りきれないのが今のドルトムントで、後半16分に相手陣中央でプリシッチがドリブルを仕掛けるもあっさりボールを奪われると、カウンターからハインツがシュート、これはビュルキがかろうじて手に当てるも、こぼれ球をツォラーに頭でねじ込まれてケルンが同点に追いつく。が、その直後にドルトムントもGKのキックをケルンがカットしたところを奪い返し、パスを受けたバチュアイが右からきっちり決めて再びリードする。

そこからは互いにスペースが空いてゴール前でのシーンが多くなり、ケルンはカウンターから2トップの一方がサイドに流れ、中へシンプルにクロスを送る攻撃が機能し始めると、後半23分に香川が必死のスライディングでピンチを防いだと思った次の瞬間、ケルンはCKからメレがヘディングを決めてまたも同点に追いついてしまう。

しかし後半38分にドルトムントはカウンターからサンチョのパスを受けた香川がサイドへ展開すると、バチュアイ、シュールレとパスが渡って最後はシュールレが右足のミドルを叩き込んでドルトムントが再逆転、3人目の交代直後にサンチョが怪我で退くアクシデントがあり、その後はドルトムントが防戦一方になったが何とか最後まで守りきって試合終了。

これでドルトムントは4試合ぶりの勝利となり、2得点を決めたバチュアイ様様といった結果になったが、確かにゴール前でのポジショニングは今までドルトムントには居なかったストライカーらしい嗅覚が感じられたものの、やはりまだ消えている時間も多く、攻撃の組み立てという部分ではまだまだ課題は残っているように思う。

まあ、それでも随所に体の強さは感じられたし、今までボールの預けどころに困っていた香川にとってもやりやすそうな感じだったので、これからどんどんドルトムントの攻撃が良くなる可能性は高いように思う。今後も彼のプレイに注目していきたいところだね。