「シティの30戦無敗の記録を、”ペップキラー”クロップのリバプールが止める」イングランド・プレミアリーグ

ここまで30戦無敗、リーグ戦は2位に勝ち点15という圧倒的な差を付けて、既にリーグ優勝は確実視されているマンチェスター・シティ。そのチームからリバプールが4得点を奪って勝利したというニュースを聞くと、やはり試合を見ないわけには行かないだろう(笑)。

フォーメーション的にはどちらも4-3-3で、リヴァプールはマネとサラー、シティはサネとスターリングという快速ウイングを配し、1トップはフィルミーノとアグエロという非ポストプレイヤーを置いているところまで同じ。戦術的面でも、どちらもラインを上げてハイプレスを仕掛けるチームという事で、序盤から激しくジャブが行きかう展開となる。

ただ、シティの守備がリバプールのアンカーであるエムレ・ジャンにあまりプレッシャーをかけず、ボールの受け手をチェックする形なのに対し、リヴァプールはフェルナンジーニョにボランチが交互にプレスを仕掛けている違いで、ややホームのリバプールのほうがハイプレス志向が強いな、と様子見をしていたら、前半9分に中盤での競り合いからチェンバレンがフェルナンジーニョを振り切り、そのまま持ち込んでシュートをファーサイドに決め、リバプールが先制点を決める。

この得点で勢いが出たリバプールは、セカンドボールへの反応で上回ってボールを支配、シティもデブルイネを中心にカウンターから得点を狙うも、リバプールのゲーゲンプレスが素早く攻撃が単発に終わってしまう。が、前半40分にサイドチェンジからサネが前に胸トラップすると、マークが遅れたゴメスが置いてかれ、サネはアウトに持ち出してからニアにシュートを決めてシティが同点に追いつく。

後半は逆にシティがラインを上げて攻勢に転じ、リバプールは自陣にゾーンを引いて守る展開になり、しばらくは重苦しい流れになっていたが、後半14分に左サイドのチェンバレンからフィルミーノにスルーパスが通り、フィルミーノはマークに入ったストーンズを弾き飛ばし、そのままコースへ流し込んでリバプールが勝ち越しに成功、その直後にもサラーがシティのミスパスを拾い、中でパスを受けたマネが豪快に蹴り込んで一気に3点目を決める。

その後は、盛り上がるアンフィールドの勢いそのままに、ホームのリバプールが前へ前へと突き進む一方、シティの守備陣は受けに回る対応が目立つようになる。そして後半23分に、シティGKエデルソンがクリアのためにPA外に出たのはいいが、そのクリアボールがサラーに渡ってしまい、サラーは判断良くそのままループ気味のロングシュートを決め、シティにとっては何とも屈辱的な4点目を与えてしまう。

しかしシティも首位の意地を見せる。後半39分に、左サイドからギュンドアンが相手をかわしてドリブルで侵入、ワンツーからのシュートはDFにカットされたが、その跳ね返りをシルバが押し込み1点を返すと、ロスタイムにも右サイドでボールを受けたサネがドリブルで中へ切れ込み、アグエロのクロスをギュンドアンが胸トラップから抜け出しゴール、これで1点差。その直後にも、FKからアグエロがニアでヘディングというシーンを作ったがこれはオフサイド、そして試合は4-3で終了。

実はグアルディオラ監督は、バイエルン時代からクロップ監督が率いるチームには5勝2分5敗と五分の成績を残していて、やはりゲーゲンプレスはポゼッションチームに相性が良く、その意味でまさにクロップはペップキラーだと言えよう。もっとも前半戦はシティに0-5と大敗しているので、今回ばかりは戦術よりもアンフィールドの観客が勝たせた試合だったと思うけどね。いや、それにしても見ていて楽しく面白い試合だった!