「チェルシーに対して68分間も続いた、下位レスターの横綱相撲」イングランド・プレミアリーグ第23節 チェルシー-レスター

一応はチャンピオンズリーグ圏内に付けてはいるが、ここ2試合は無得点と調子が下降しているチェルシー。アーセナル戦から中2日と過密日程のチェルシーに、中6日と日程的に余裕があるレスターという違いはあったが、ホームのチェルシーがここまでレスターに押されるとは想像外だった。

チェルシーのフォーメーションはモラタとアザールの2トップにした3-1-4-2で、レスターはヴァーディの1トップに岡崎がセカンドトップに入ったいつもの4-4-1-1。レスターは岡崎とヴァーディもチェルシーの3バックに対して常にプレッシャーをかけ続けているのに対し、モラタとアザールはあまり守備をせず、そのため前線と中盤との間に大きなスペースが生まれてしまい、そこを無理にパスを通そうとするためミスが増えるという悪循環。

レスターは前半7分にチルウェルのサイド突破からクロスを岡崎が飛び込むものの上手くタイミングが合わず、12分にはCKからエンディディがフリーでヘッドもチェルシーGKクルトワが片手でセーブと、序盤からチャンスを量産する。チェルシーは前線が孤立しながらも、アザールとモラタの2人だけでレスターゴールに迫る力を見せるが、レスターGKシュマイケルが最後はきっちり締めて得点を許さない。

前半の30分頃からは、それまでリトリートが主体だったチェルシーの守備が少し高くなり、マフレズにはダブルチームでマークが付くようになって膠着状態になるが、それでも岡崎はボールが来た時にはしっかり足元に収めて基点になるなど攻撃を引っ張り、36分にはヴァーディが奪ったボールからシュートを打つが相手にブロックされてしまう。

さらに後半の10分には縦パスを受けてターンで抜けようとした岡崎をカンテが引っ張ってイエローカード、11分にはマフレズがカットインからのシュートが相手に当たってわずかに枠を外れるなど、レスターの勢いがチェルシーを上回っているのだが、ヴァーディのシュートは精度を欠き、マフレズも持ちすぎる場面が目立つなど最後の詰めが甘いレスター。

コンテ監督は後半13分に、セスクとアザールを下げてペドロとウィリアンを投入し、3-4-3のフォーメーションに変更、ウィリアンが中盤やサイドに動いてボールを受ける事で高い位置で基点が出来、それまで消えていたWBのマルコス・アロンソがオーバーラップするなどチェルシーが一気に盛り返す。さらに後半22分に、モーゼスに対するチルウェルのファールがイエローとみなされ2枚目で退場、レスターは10人になってしまう。

レスターは岡崎を下げてフクスを投入、1トップにはヴァーディ、グレイを投入してからはマフレズをトップにして残りの8人でゴール前に壁を作る。チェルシーは、ウィリアンを中心にサイドからニアゾーンを使ってクロスを上げ続けるがレスターの守備を崩せず、ロスタイムにゴール前で得たマルコス・アロンソのFKもシュマイケルが防ぎ、結局試合はスコアレスドローで終了、レスターがアウェイで貴重な勝ち点1をゲットした。

岡崎は、チェルシーの攻守の要であるカンテには対人で勝利、終始トラップが正確で攻撃の軸にはなっていたが、結局シュートは3本で、そのうち当てそこねが1本、ブロックされたのが2本と、本人としては不本意な結果だっただろう。最初のチャンスに決めていればヒーローだったんだけどね、調子は悪くないので次に期待。