「乾は無得点だが、完全に攻守におけるチームの主軸である事を証明」スペイン・リーガエスパニョーラ第18節 ラス・パルマス-エイバル

もう高校サッカー選手権も終わりというタイミングで、スペインがクリスマス休暇明けとは、本当に日本のサッカーファンは1年中上手いタイミングで試合を見続けられるよね(笑)。

さて現在リーグ戦では6試合で5勝1分けと絶好調のエイバルは、最下位のラス・パルマスとアウェイで対戦。乾は当然4-4-2の左SHで先発、ラス・パルマスは4-2-3-1だが戦術的にはほぼ同じ形。

試合は、どちらも長いボールを前線に入れてからセカンドボールを狙うリスクオフのサッカーで始まるが、徐々にポゼッションはエイバルが握る。その中でも攻撃の軸になっているのが乾で、長いサイドチェンジをピタリと足元に収め、スピードを落とすこと無くゴールに向かう事が出来ている。

前半6分には乾が左サイドで抜け出し惜しいクロス、14分には右からのクロスを乾がヘディングで叩きつけるも、ラス・パルマスGKはチチゾラのナイスセーブに阻まれ、27分にもサイドチェンジから乾のクロスも中とタイミングが合わず、エイバルはペースを握りながらも得点を奪えない。逆に前半30分、クロスからの胸トラップで抜け出したトレドをあるビージャが倒してしまい、ラス・パルマスに先制点を奪われてしまう。

後半になるとエイバルはさらにサイド攻撃を強めるも、ラス・パルマスにもカウンターの場面が増えて試合展開が激しくなる。エイバルは20分前後に2度ほどヘディングで惜しいシュートを放つも決められず。

徐々にエイバルも攻め疲れが見えて逆転は難しくなったかなと思われた後半28分、乾が左サイドで受けたファールから得たFKを、ファーサイドで抜け出したシャルレスがダイレクトで折り返し、途中出場のオレジャナが押し込みエイバルが同点に追いつく。

これで勢いが出たエイバルは、その5分後にも乾が左サイドで戻したボールをアンヘルがダイレクトでクロス、これをゴール右でフリーになっていたエンリクが難なく押し込んで逆転に成功する。

後半ロスタイムには、カウンターから胸トラップで乾が抜け出し、PA内で切り返したところで明らかにファールを受けたがPKを取ってもらえず、その後もサイドチェンジを受けてルーレットからシュートを打つも相手に当たるなど、乾は多くの場面で見せ場は作ったが結局得点はできず、3試合連続ゴールはならず試合終了。

これでエイバルは休暇明けもきっちり勝利を飾り、順位は7位と変わらないが6位のビジャレアルとは勝ち点1差。さすがにチャンピオンズリーグは難しいが、ヨーロッパリーグは十分視野に入って来た。乾は攻撃だけでなく守備のカバーリングも素晴らしく、この調子が維持できればW杯でスタメンは十分狙えるだろう。