「くすぶっていたスリマニさえ輝かせる、岡崎の驚異的な”のりしろ力”」イングランド・プレミアリーグ第22節 レスター・シティ-ハダースフィールド

相変わらず年末年始は狂ったスケジュールで行われているプレミアリーグ。12/30に行われた前節リバプール戦から中1日の元旦に行われたハダースフィールド戦では、さすがにレスターも3人の選手を入れ替え、スリマニと岡崎の2トップが並ぶことになった。

同じく選手を5人入れ替えたハダースフィールドもフォーメーション的には4-4-1-1と同じマッチアップで、どちらもカウンター狙いのチームだけに前半は動きが少ない試合になった。試合開始直後に岡崎がらしくないヒールパスでチャンスを演出したが、前半の見せ場はほぼそこだけ。

ポストプレイに対するマークが激しく、それを嫌ってかスリマニが中盤に下がって岡崎がトップに張る形が多くなり、SHのマフレズ、オルブライトンも相手に早くマークに付かれて前線でもサイドでも基点が作れない展開が続く。さらに28分にはキャプテンのモーガンが負傷で退場、ドラゴビッチと交代するアクシデント。

後半に入っても、出足の鋭いハダースフィールドに対してレスターは攻め手がなかなか作れないでいたが、後半7分にスローインのクリアボールを拾ったオルブライトンが前線に放り込むと、これを右サイドでフリーになっていたマフレズが芸術的なダイレクトボレーを決めてレスターが先制点をゲットする。

さらに後半10分、岡崎がカウンターから抜け出してゴールを決めたと見えたが、シュートの前に相手選手を故意に倒したとみなされノーゴールの判定。しかしその5分後には岡崎のパスカットからマフレズ、スリマニとパスが渡り、スリマニがハダースフィールドGKレスルの頭上を越すチップキックを決めてレスターが2点目。

その後はレスターが落ち着いて試合をコントロール、後半33分には相手ゴール前でのパス回しから岡崎が一瞬フリーになるシーンがあったが、ボールコントロールに少しもたついてシュートまで行けず。後半ロスタイムにスリマニの強引なドリブルからグレイが折り返し、これが相手に当たってファーサイドにいたオルブライトンの前に転がり、難なく押し込んでダメ押しの3点目。試合はそのまま3-0で終了、レスターは2018年の幕開けを久々の快勝で飾った。

岡崎自身はフル出場でシュートがたったの1本と不完全燃焼だったかもしれないが、体を張ったポストプレイやチェイシング、プレスバックと汚れ仕事を一手に引き受けてくれるので、これまでくすぶっていたスリマニさえチームにフィットさせる「のりしろ力」は驚異的と言わざるを得ない。これが代表だと、岡崎の力でくっつけないといけないような能力の高い選手がおらず、彼の良さを活かせない事が本当に残念である。