「”ケルンで今期勝ち点3”のシュテーガー監督が、ドルトムントを救った魔法とは」ドイツ・ブンデスリーガ第16節 マインツ-ボルシア・ドルトムント

クラブW杯の浦和戦やパチューカ戦など、昨日は見たい試合がたくさんあったんだけど、ミッドウィークに行われたブンデスリーガで、シュテーガー監督が就任後初試合となったドルトムントがマインツに2-0で勝利したと聞いて、チームがどう変わったのがが気になったのでその試合を観戦。

ドルトムントのフォーメーションは、ボシュ監督時代と同じ4-3-3だが、CBはソクラティスとトプラク、右SBはトルヤン、右のインサイドハーフに香川と、それまで出番が少なかった選手を起用して来た。が、試合の序盤は今までと変わらない守備の不安定さを露呈してしまった。

前半5分に香川のミスからセルダルにクロスバー直撃のシュートを浴びるたのを筆頭に、12分にはマインツに高い位置で基点を作られ、守備のギャップからきわどいシュートを打たれるなど、DFラインとインサイドハーフのゲレイロ、香川の距離が空いて、インサイドハーフとSBのコンビネーションが悪くポジションが被ってしまう事が多く、アンカーのヴァイグルの両脇に出来る広大なスペースを使われ、マインツに何度も攻め込まれた。

相手のシュート精度に助けられてピンチを切り抜けたドルトムントは、15分頃からようやく落ち着きを取り戻し、5-3-2のフォーメーションで低めにゾーンを構えるマインツに対し、香川やプリシッチがゾーンの間でヴァイグルからのパスを受けたり、サイドチェンジでシュメルツァーがオーバーラップするなど多彩な攻めでリズムを作るが、ラストプレイの呼吸が合わない場面が多く、オーバメヤンや香川、ゲレイロも絶好機に決めきれず。

ようやくドルトムントにゴールが生まれたのは後半10分、香川のFKからトプラクがヘディングで合わせたシュートはポストに当たったが、こぼれ球をソクラティスが上手く叩きつけてゴールを決める。その後はマインツが反撃に出て、香川も守備のカバーに奔走するがいまいちポジショニングが良くなく、ボールを奪えず後手に回る対応でドルトムントはバタバタした対応の時間帯が続く。

後半25分にシュテーガー監督はプリシッチに代えてダフードを投入、香川が左、トップ下がゲレイロの4-2-3-1に変更したが上手く行かず、途中から香川とゲレイロが相談してシュテーガー監督に提案したようで、そこからはトップ下を香川にポジションチェンジ。すると、そこから一気にドルトムントが蘇る。

香川は前線から積極的なチェイシングでマインツのDFにプレッシャーを仕掛けると、後半33分に香川のパスからヤルモレンコが抜け出しリターンパス、香川のシュートはセーブされたが決定機を演出すると、後半43分に香川のヘディングを受けたオーバメヤンがボールを溜め、シュートと見せかけた冷静なパスを走り込んだ香川に通し、今度は香川もきっちりファーに流し込んでドルトムントが2点目、これで試合は決まってしまった。

今期はケルンでわずか3引き分けの勝ち点3しか挙げられず解任されたシュテーガー監督だったが、ドルトムントでの初陣では序盤にもたついたものの、試合中に上手く修正を施して早速ケルン時代に追いつく勝ち点をゲット(笑)。とは言え、特に何かマジックをやったというわけではなく、選手を適材適所で使ってバランスを取り、選手のモチベーションを上げただけだと思うけどね。

もともと手堅いチーム作りで定評のある監督だっただけに、シュテーガーは手駒が豊富なドルトムントなら随分やりやすいと思ったに違いない。この試合で上手く行った香川トップ下の4-2-3-1をベースに、今後は後半戦に向けてチームを作って欲しいね。