「ACLを切らせて胴上げを断つ事を選んだ柏」J1第33節 鹿島アントラーズ-柏レイソル

2017年のJ1も残すところあと2試合。首位の鹿島アントラーズは今節で柏に勝利すると優勝が決まるとあって、ホームのカシマスタジアムは4万人のサポーターで満員の状態。

鹿島はもちろんいつもの4-4-2フォーメーションで、柏も形としては4-4-2のマッチアップだが、鹿島が自陣に入ると中川寛斗が2列目に下がり、大谷がアンカーのような4-1-4-1に変わるという可変システムなのが面白い。

試合は、金崎と土居の2トップがサイドに流れ、右サイドの遠藤や西を中心としたコンビネーションで基点を作り、鹿島が柏に対して圧力をかける立ち上がり。柏は大谷が下がってCBのビルドアップを助けようとするのだが、両SBが常に鹿島のSHにマークされてプレスを掻い潜ることが出来ない。

前半25分頃からは、柏は何度も自陣でボールを奪われ鹿島にセカンドボールを支配され、立て続けに決定的な場面を迎えるのだが、レアンドロ、遠藤のシュートは柏GK中村が弾き飛ばし、逆に柏はカウンターから伊東純也がドリブルでゴールに迫るが、鹿島GK曽ヶ端がしっかりコースを消してピンチを防ぐ。

ようやく前半の終わりになって、鹿島がプレスのスピードを落として柏がボールを持てる展開になり、後半も立ち上がりは落ち着いた入りかと思ったのだが、後半10分にレオ・シルバがマークをスルッと抜けてからのシュートを皮切りに、また鹿島の猛攻が襲いかかる。が、ここもまた中村が立ちはだかり、遠藤、土居、レアンドロの2発と決定的なシュートをことごとくストップ、CKから昌子のヘディングはクロスバーでなかなかスコアは動かない。

後半25分頃からは中盤にスペースが空きだし、柏もクリスティアーノをサイドにシフトさせて西の上がりを牽制するようにした事で、ようやく試合は落ち着いた状態に。鹿島も32分にセカンドボールを拾ってからの波状攻撃で、レアンドロがヘディングを放つが惜しくも左に逸れるなど、最後まで攻撃に手を抜かなかったが柏のゴールを割ることは出来ず、0-0のスコアレスドローで終了。

アウェイの柏は目の前での胴上げを阻止する事は出来たが、神戸相手に勝利したセレッソに勝ち点4の差を付けられたため、J1で4位以下の順位が確定。まだセレッソと柏自身が天皇杯に残っているため、4位でもACL出場権を獲得できる可能性はあるが、この試合に関しては肉を切らせて骨を断つ格好になったと言える。

鹿島は2位の川崎がミッドウィークに浦和との試合を残しているため、そこで引き分け以下だと自動的に優勝が決まるが、川崎が勝った場合は最終節の磐田戦に決着は持ち越しとなる。かつてのナショナルダービー復活で盛り上がるだろうから、是非とも川崎に頑張って欲しいところだね(笑)。