「コートジボワール驚きの弱体化も、監督の名前を見れば納得」ロシアW杯アフリカ最終予選 グループC コートジボワール-モロッコ

アフリカ最終予選のグループCは、第5節を終えた時点でモロッコが勝ち点9の首位に立ち、2位が勝ち点1差でコートジボワール。そして最終節はコートジボワールホームでモロッコとの直接対決という、文字通りのセメントマッチになった。

コートジボワールのフォーメーションは4-2-3-1で、モロッコは4-1-4-1。日本代表がブラジルに対してやったように、中盤の3人に対してポジションをマッチアップさせる形を取るのは、現在の戦術的なトレンドである。

そうなると当然中盤は潰し合いになり、ボールポゼッションで優位に立つコートジボワールは主にサイドでボールを繋ぎ、ジェルビーニョとザハのドリブル突破からの崩し、モロッコは5人がコンパクトなゾーンを作りつつ、1トップのアムラバトが左右のスペースに流れて長いパスを受ける形が基本になる。

コートジボワールは前半16分に、浮き球パスに反応したジェルビーニョが抜け出すもシュートはバーの上、22分にはPAすぐ外でザハがファールを受けてFKを得たものの壁に当ててしまうなど、いくつかあった決定機をモノに出来ない。逆に、モロッコは24分にディラルがアーリークロスをゴール前に上げたところ、ゴール前の競り合いに気を取られたコートジボワールGKグボウオが反応できずボールはそのままゴールの中へ飛び込んでしまう。

そしてグボウオがまた致命的なミス。30分にあったモロッコのCKで、グボウオがボールに反応して一度飛び出しかけたが何故かまたゴールマウスに戻ってしまい、完全なフリーになっていたベナティアがやすやすとボレーを放って、アウェイのモロッコがあっという間に2点のリードを得てしまう。

さらに後半開始早々にも、いきなりクロスに対してコートジボワールのDF陣がボールウォッチャーになってしまい、完全にフリーだったモロッコの選手にセカンドボールを拾われてシュートを打たれてしまう。

その後もコートジボワールの攻撃は精彩を欠き、足元へとパスを繋ぐだけでモロッコの4-1-4のゾーンを全く動かせず、強引なサイド突破から単調なクロスを上げるのみで全く決定機を作れない。ようやく後半34分に、左サイドからオーリエが上げたクロスをドゥンビアが合わせるもシュートはまたもクロスバーの上。38分には、モロッコの選手がサイドラインより奥にいて、オフサイドにならずゴール前でボールを拾えたのに反応が遅れてシュートまで行けない。

攻撃陣も頼りなかったが、守備陣もすっかりモチベーションを落としてしまい、何となくポジションにはいるもののマークに付く動きが緩慢で、モロッコに対して押し込みきれず度々カウンターでピンチを作る始末。そして後半のロスタイムにも見せ場を作ること無く、そのままコートジボワールはホームで敗退が決定、モロッコが20年ぶりのW杯出場を決めた。

ドログバ、ヤヤ・トゥーレといった中心選手が代表を引退し、マンUのレギュラーCBバイリーが怪我で欠場と、センターラインの選手が小粒になったとは言え、ジェルビーニョやザハ、ボニー、カルーらを擁してこの内容はどうした事かと思っていたら、監督があのヴィルモッツで納得(笑)。ユーロでベルギー代表を率いていた時も思ったけど、基本的に選手を配置して鼓舞するだけで、戦術的な策は持ち合わせていない感じだった。プレーオフで結局スウェーデンに敗れたイタリア代表や、セレッソのケースを見ても、監督って本当に大事だよね~。